キッチンの排水口つまりを自分で解消!場所別解決方法

キッチン

キッチンの排水口がつまると、洗い物が溜まり、生活が一気に不便になってしまいますよね。水が引かない、悪臭がする、最悪の場合は水漏れも……。でも、多くの場合は自分で解決できるんです!

本記事では、キッチン排水口のつまりを場所別に解決する方法をご紹介します。台所の排水口、排水トラップ、排水管など、つまりの箇所によって最適な対処法が異なります。重曹とお酢の組み合わせ、熱湯の活用法、市販の道具を使った方法まで、手軽にできるつまり解消テクニックを解説。

これを読めば、業者に頼らずとも自分でつまりを解消でき、出費も時間も節約できます。さらに、つまりを予防する日常の習慣も身につけて、清潔で快適なキッチンライフを手に入れましょう!

目次

排水口のつまり

排水口

キッチンの排水口が詰まると、水がスムーズに流れなくなり、料理や後片付けのたびにストレスを感じることになります。詰まりの原因は、油汚れや食べかす、洗剤カスなどが排水管内に蓄積することが主な要因です。

排水口の詰まりには兆候があり、早めに気づいて対処することで深刻なトラブルを防ぐことが可能。ここでは、排水口が詰まりかけているサインと、実際に詰まったときに見られる症状について詳しく解説します。

H3.排水口のつまりの兆候

排水口のつまりは突然起こるわけではなく、徐々に進行していきます。初期の段階で兆候に気づき、早めに対処すれば、深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。

まず、水の流れが遅くなることが挙げられます。シンクに水を流したとき、排水がスムーズに進まず、少しずつ溜まってしまう場合は、排水管の内側に汚れが蓄積している可能性があります。

次に、ゴボゴボと異音がするのも重要なサイン。排水時に空気が逆流し、異常な音が発生するのは、内部の汚れが原因で水の流れが阻害されている証拠です。

さらに、排水口から異臭がする場合も、つまりの兆候のひとつ。排水管内にたまった油汚れや食べかすが腐敗し、悪臭を発生させるため、早めの掃除が必要です

H3.排水口のつまりの症状

キッチンの排水口がつまると、いくつかの明確な症状が現れます。最も一般的な症状は「水の流れが遅い」ことです。シンクに流した水が通常より長い時間かけて排水されたり、最悪の場合はまったく流れなくなったりします。水が完全に止まってしまうと、シンクに水が溜まったままになり、日常の料理や洗い物に大きな支障をきたします。

もう一つの重要な症状は「排水口からの逆流」です。お風呂の栓を抜いた時に洗い場の排水口から逆流したり、キッチンで洗い物をした後にシンク下から水が漏れてきたりする場合があります。これは排水管内で水の流れが阻害されているサインです。また、屋外の排水口では汚物が溢れる可能性もあります。

特に深刻な症状として「床への水漏れ」があります。排水口のつまりにより、配管の継ぎ目から水が漏れ出して床を濡らすことがあります。このような症状が見られたら、早急な対処が必要です。放置すると、水道設備の損傷だけでなく、床下の浸水や下階への漏水など、より大きな問題に発展する恐れがあります。

H2.排水口のつまりの原因

原因

キッチン排水口がつまる原因はいくつかありますが、その多くは日常生活で知らず知らずのうちに蓄積される汚れによるものです。

つまりの原因を正確に把握することは、適切な対処法を選ぶ上で非常に重要です。油汚れや食材カス、固形物の落下など、原因によって解消方法が異なるため、まずは何が排水口をつまらせているのかを理解しましょう。

排水口のつまりを効果的に解消し、今後のトラブルを予防するためにも、原因物質の特徴と発生メカニズムを知ることが第一歩となります。

場所によって異なる排水口のつまりの「原因物質」

家庭内の排水口がつまる原因は、場所によって大きく異なります。

キッチンの排水口では、「スカム」と呼ばれる油が変性したヘドロ状の汚れが主な原因です。調理で使用した油が時間経過とともに酸化して固くなり、排水管内に蓄積します。これに対し、お風呂場では髪の毛が主な原因物質となります。洗髪時に流れた髪の毛にシャンプーや石鹸の成分が絡みつき、汚物化してつまりを引き起こします。

洗面台では洗剤成分と皮脂などの汚れが混ざり合い、酸化して汚雑物となります。キッチンのスカムほど硬くはありませんが、洗面台の細いパイプには十分な粘度があるため、つまりの原因となります。洗濯機置き場では繊維くずが主な原因で、特にドラム式洗濯機は乾燥過程で多くの繊維を排出する傾向があります。

屋外の排水桝でも、汚物が溜まってつまりを引き起こすことがあります。特に「汚水桝」では汚物が溢れ出すトラブルが発生しやすくなっています。このように、水回り設備ごとに特有の原因物質があるため、それぞれに適した対処法が必要となります。

H2.キッチンの排水口つまりを自分で解消する方法

DIY (Do It Yourself)

キッチンの排水口がつまってしまった場合、必ずしも業者に依頼する必要はありません。多くの場合、自分で解決することができます。ここでは、家庭にある道具や手軽に入手できるアイテムを使った排水口つまりの解消法をご紹介します。

つまりの原因や状況に合わせて最適な方法を選択することで、効果的にトラブルを解決できるでしょう。まずは比較的簡単な方法から試してみて、それでも解消されない場合は次の方法へと進むことをおすすめします。

流しの排水口に熱湯を流してつまりを抜く

キッチンの排水口つまりを解消する最も基本的な方法は、熱湯を活用することです。油汚れが主な原因の場合、熱湯は特に効果的です。排水口の中に詰まっている汚物の多くは油成分を含んでおり、熱によって溶けやすくなるからです。この方法では、適切な温度の熱湯を用意することがポイントです。

作業の際は、排水口の掃除に使用する熱湯の温度を60℃程度に設定しましょう。排水管の材質は塩化ビニール製のものがほとんどで、耐熱温度は60℃となっています。沸騰した熱湯では排水管に過度な熱負荷がかかるため、注意が必要。

具体的な手順としては、まず菊割れゴム、ゴミ受けバスケット、椀トラップなどの部品を全て外します。次に60℃程度の熱湯をシンクに溜め、排水口に一気に流し込みます。このとき、ペットボトルを逆さにして排水口に差し込み、栓として使うと便利です。

熱湯が排水口に流れ込むことで、油汚れが柔らかくなり、少しずつ剥離します。この作業を数回繰り返すことで、軽めの排水口つまりはほとんど解消できるでしょう。

洗浄剤を使用する

排水口のつまりを解消するには、適切な洗浄剤の使用が効果的です。特におすすめなのが、業務用の排水管洗浄剤です。ホームセンターや薬局で入手できる排水管専用の洗浄剤は、一般的な洗剤よりも高い効果を発揮します。

洗浄剤を使用する場合は、まず熱湯を排水口に流してから洗浄剤を投入します。これにより、油分が溶けやすくなり、排水ホースの中がある程度きれいになります。洗浄剤の使用量は製品の説明書に従いましょう。洗浄剤を流した後はしばらく放置し、時間をおくことで効果が増します。

注意点として、強力な洗浄剤には劇薬に分類されるものもあるため、使用説明をよく読み、適切に取り扱うことが重要です。また、洗浄剤を流した後は、蛇口の水を1分間ほど出しっぱなしにして洗剤と汚れを十分に洗い流すことが大切。

水の流れに「ボコボコ」という音がせず、「ズズーっ」という感じでスムーズに流れれば、排水口つまりは解消しています。

ハンガーを利用して排水口のつまりを修理する方法

クリーニングに出したシャツなどについてくる針金ハンガー(ワイヤーハンガー)を利用して、キッチンの排水口つまりを解消する方法は手軽で効果的です。100円均一でも購入できるため、特別な道具を持っていない場合でも試せる方法です。

まず、針金ハンガーをほぐしてまっすぐに延ばします。次に、針金の先端を丸く加工しておきましょう。これは排水ジャバラホースに先端が引っかかるのを防ぐためです。フックの部分を丸くしたら、排水口に挿入します。

針金ハンガーを排水管に入れたら、クルクルと回すように引っ掻きます。針金の持つ部分をL字クランク型に曲げておくと回しやすくなりますが、L字にしなくても作業は可能です。この作業により、へばりついた油汚れを引っ掻き回して剥がれやすくします。これは後で使うお湯や薬剤の浸透をよくするための準備段階です。

作業後は熱湯を一気に流し、最後に排水管洗浄剤を入れることで、より効果的に排水口のつまりを解消できます。この方法は、付着した油汚れの層が厚く、洗浄剤が浸透しにくい場合に特に効果的です。

専用ワイヤーでキッチンの排水口つまりを解消する方法

キッチンの排水口つまりを解消するには、専用のワイヤー式パイプクリーナーが効果的。特に台所の排水口つまりには、真空式よりもワイヤー式がおすすめです。ただし、あまりに長いワイヤーは排水口の奥に送り込むことが難しいため、最長でも3メートル程度を目安にしましょう。

作業の際のポイントは、お湯を流しながらワイヤーを挿入することです。朝に排水管洗浄剤を入れて放置しておき、夕方に帰宅してからお湯を流しながらワイヤーを入れるという手順も効果的です。お湯と洗浄剤を併用することがコツです。

ワイヤーを選ぶ際は、「回転ドラム付き」のものが排水管へのスムーズな挿入に適しています。これは挿入時のワイヤーのよじれを効果的に防止し、深く挿入することが容易になるためです。

お湯を流しながら排水管にワイヤーを入れ、ねじったり押したり引いたりしてかき回すと、ワイヤーの先端が油を剥がします。はがれた油はお湯の水流に乗って下水管に流れていくため、プロが行う「排水管清掃作業」の簡易版といえます。お湯を出しながらこの作業をしばらく続け、最後に熱湯で排水管を洗浄すると効果的です。

スッポンでキッチンの排水口つまりを解消する方法

スッポン(プランジャー)はトイレつまりの際によく使われる道具ですが、キッチンの排水口つまり解消にも活用できます。ただし、使用する前に重要な確認事項があります。

まず、必ず流し台下の収納庫を開けて「排水ホースの形状」をチェックしてください。排水トラップの下がジャバラホースの場合は、スッポンを使うとホースが外れて水漏れの原因になるため使用できません。一方、排水トラップの下が普通の塩ビパイプ(4〜5センチの太さ)であれば、スッポンを使用しても大丈夫です。

使用するスッポンは、流しの排水口をしっかり覆える大きさ(直径15センチ以上)のものを選びましょう。特に大きなプランジャーで、突起の付いたタイプがおすすめです。これならキッチンだけでなくトイレつまりにも使用できて便利です。

使い方は、まずスッポンを排水口にしっかりと密着させます。その状態で、お湯を流しながらグイグイと「押し引き」します。この動作で、排水管奥に堆積している油を圧力で揺さぶり、切り崩して水の通り道を確保。水がスムーズに流れるようになれば、つまりは解消しています。最後にお湯をしばらく流して洗浄し、洗浄剤を入れて仕上げます。

「重曹」「酢」で排水口をクリーニングする

台所の流し排水口が臭い場合は、重曹と酢を使用した清掃方法が効果的です。悪臭の原因はバクテリア(雑菌)であることが多いため、排水口だけでなくシンク全体を「殺菌」することで解消できます。重曹と酢(もしくはクエン酸)に熱湯を加えると、非常に高い消臭効果が得られます。

方法は簡単で、まず台所排水口のゴムとバスケットを外します。椀トラップは付けたままで、その上から重曹を1〜2カップ(1カップは200cc・約120グラム)振りかけます。次に、重曹1カップに対して2カップの量の酢を上からかけます。食用のお酢でも、粉末のクエン酸でも構いません。

すると、重曹(炭酸水素ナトリウム)と酢(酢酸)が化学反応を起こして発泡し、二酸化炭素が発生します。発泡がおさまったらしばらく放置し、その後60℃の熱湯を流し込みます。流し全体にも熱湯をかけると、より広範囲が殺菌され消臭効果が高まります。

この方法はキッチン周りの悪臭除去に非常に効果的です。ただし、この作業で臭いが消えない場合は、悪臭の原因がキッチン排水口の汚れではなく、臭気パッキンの劣化など他に原因がある可能性があるため、専門業者に相談するとよいでしょう。

業者に依頼するべき排水口つまりのケース

水道業者のイメージ

軽度のつまりであれば、自分で解消できる方法がいくつかありますが、状況によっては業者に依頼しなければ解決できないケースもあります。無理に対処しようとすると、つまりが悪化したり、排水管を傷めてしまったりする可能性があるため、注意が必要です。

特に、排水口から異音がする、何度対処してもすぐにつまる、逆流や水漏れが発生している場合は、専門の業者に依頼するのが適切です。ここでは、業者に相談すべきつまりの状況や、自己処理が逆効果になるケースについて解説します。

業者に依頼すべき排水口つまりの状況

自分で対処できるつまりもありますが、以下のような状況では業者に依頼するのが賢明です。

まず、何度も同じ場所でつまりが発生する場合は、排水管内部に根本的な問題がある可能性があります。例えば、排水管の内部に長期間蓄積した汚れが層を作っているケースや、配管の勾配が適切でないことが原因でつまりやすくなっている場合があります。

また、水が全く流れない状態が長時間続く場合も要注意です。自力で解消できないレベルのつまりが発生している可能性があり、無理に熱湯を流したり、スッポンを使用したりすると、かえって状態を悪化させることがあります。

さらに、シンク下の配管から水漏れが発生している場合も、業者の対応が必要です。配管の継ぎ目が緩んでいるだけなら自分で直せることもありますが、根本的に排水管が劣化していると、自力で修理するのは困難です。

このような状況では、早めに業者に相談することで、深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。

キッチンの排水口つまりがかえってひどくなるケースについて

つまりを解消しようとした結果、かえって状況が悪化することもあります。特に、以下のような方法を誤って使用すると、つまりがひどくなる可能性があるため注意が必要です。

まず、大量の熱湯を一気に流すと、排水管内で固まった油汚れが一時的に溶けるものの、その後冷えて再び固まり、さらに頑固なつまりを引き起こすことがあります。特に冬場は油がすぐに冷えて固まるため、熱湯を使う場合は少しずつ流しながら対応するのが重要です。

また、市販のパイプ洗浄剤の使いすぎも逆効果になることがあります。強力な薬剤を頻繁に使用すると、排水管内のゴムパッキンが劣化し、水漏れの原因になることがあります。さらに、薬剤とつまりの原因物質が化学反応を起こし、かえって固まってしまうケースもあるため、用法を守って使用することが大切です。

無理にスッポンを使うと、つまりが奥に押し込まれることもあります。特に、異物が詰まっている場合は、力を入れすぎると異物がさらに奥に移動し、取り出しにくくなるため注意が必要です。

このように、誤った方法で対処するとつまりが悪化することがあるため、慎重に対応し、それでも解消しない場合は業者に依頼しましょう。

排水口が異音を発する原因

排水口から「ゴボゴボ」「ボコボコ」といった異音がする場合、排水管の中に空気がたまっていることが主な原因です。このような異音が発生する場合、排水の流れが悪くなっているサインであり、放置するとつまりにつながることがあります。

異音の原因として考えられるのは、排水管の一部が汚れで狭くなっていることです。油汚れや食べかすが排水管の内壁に付着し、空気の逃げ道がなくなることで水の流れが不安定になり、異音を引き起こします。

また、排水トラップに異常がある場合も、異音が発生することがあります。本来、排水トラップには水が溜まり、下水からの臭いや空気が逆流しないようになっています。しかし、排水トラップが詰まると水の流れが悪くなり、空気がうまく抜けずに「ゴボゴボ」という音がするのです。

さらに、排水管の通気口(通気弁)の詰まりも考えられます。通気弁は排水の流れをスムーズにするために空気を取り入れる役割を持っていますが、ここが詰まると空気の流れが妨げられ、排水時に異音が発生することがあります。

このような異音が続く場合は、まず排水管の洗浄を行い、それでも改善しない場合は業者に点検を依頼するのがよいでしょう。

お風呂の排水口つまりを自分で解消する方法

新築分譲マンションのきれいな浴室

お風呂の排水口は、日々の使用で髪の毛や石鹸カスが蓄積し、つまりを引き起こしやすい場所です。特に、ユニットバスと在来工法の浴室では排水口の構造が異なり、それぞれ適した掃除方法が必要です。排水口のつまりを解消するためには、原因に応じた対策を取ることが重要です。

ここでは、お風呂の排水口のつまりを解消する具体的な方法について、さまざまなアプローチをご紹介します。自宅でできる手軽な方法から、より効果的な専用器具の活用まで解説するので、ぜひ試してみてください。

お風呂の排水口つまりの解消方法

お風呂場の排水口がつまる主な原因は、頭髪が石鹸やシャンプーの成分と絡み合って形成される汚れです。キッチンとは異なる原因物質がつまりを引き起こすため、対処法も少し違います。お風呂の排水口つまりを解消するには、まず「排水口の分解清掃」を試してみましょう。

排水口の上部にある目皿、ヘアキャッチャー、防臭パッキンなどを取り外し、排水トラップ内部に溜まった髪の毛や汚れを取り除きます。その後、シャワーで洗い流すだけで、多くの場合はつまりが解消されます。この方法でつまりが取れない場合は、パイプ洗浄剤の使用や、専用器具を使った方法を試してみるとよいでしょう。

お風呂の排水口の違い

お風呂場には主に2種類のタイプがあり、排水口の構造も異なります。一つは「ユニットバス」で、工場であらかじめ作られたお風呂を現場で組み立てるタイプです。もう一つは「在来工法」(造作風呂)で、大工さんが枠組みを作り、左官屋やタイル屋が仕上げる従来のお風呂です。

ユニットバスの排水トラップは主に「筒トラップ」で、様々な形状の排水口に対応した部品が取り付けられています。一方、在来工法のお風呂の排水トラップは、ほとんどが「椀トラップ」という単純な構造です。床や壁がプラスチック素材ならユニットバス、タイル貼りや塗り壁なら在来工法と判断できます。

排水口の「トラップ」を分解してつまりを解消

お風呂場の排水口つまりを解消するための基本的な方法は、排水トラップを分解して掃除することです。ユニットバスの場合、排水口の目皿や下部のゴム製チューブ、ヘアキャッチャーなどを取り外した後、排水口の中心にある「封水筒」を反時計回り(左回り)に回して取り外します。

取り外した筒の下はコップ形になっており、そのフチ部分を指でなぞって髪の毛などの詰まりを確認します。詰まっていれば指で取り除き、シャワーでよく洗い流します。最後に、防臭パッキンを忘れずに装着して筒トラップを時計回り(右回り)に回して元に戻します。この簡単な作業だけで多くの排水口つまりは解消します。

「水撃」を利用して排水口のつまりを解消する

排水トラップの分解清掃だけでは解消できない硬いつまりの場合は、「水撃」を利用する方法が効果的です。バケツや洗面器などに水を汲み、高い位置から排水口めがけて一気に落とす方法です。水を注ぐというよりも「落とす」感覚で行います。

大量の水を一気に落下させることで発生する衝撃を水撃(ウォーターハンマー)と呼びます。この水撃により、排水口とそれにつながる排水管周辺に残った汚れを吹き飛ばすことができます。この方法は排水トラップの分解清掃を行った後に試すと、より効果的です。

専用の器具を使用してつまりを解消する

より頑固なつまりには、専用器具を使用すると効果的です。特に「ラバーカップ」(スッポン)や「真空式パイプクリーナー」が有効です。ラバーカップは小さいものを選ぶと排水口に密着しやすくなります。また、真空式パイプクリーナーはラバーカップよりも強い吸引力があり、ネット状の異物や小さなキャップなどを引き抜くのに有効です。

使用方法は、洗い場の排水口とバスタブの排水口にカップを当て、押し引きを繰り返すだけです。バスタブの排水口に圧力をかけた時に洗い場の方でボコボコと音がする場合は、排水管がつながっていて奥の方でつまっている可能性が高いです。溜まった水が抜けるまで両方の排水口に交互にカップを当て続けましょう。

洗面台の排水口つまりの解消方法

洗面台

洗面台の排水口は、髪の毛や石鹸カス、歯磨き粉の残りなどが原因でつまりやすい場所です。特に、排水管のS字部分(トラップ)には水が常に溜まっており、汚れが付着しやすいため、定期的な清掃が重要です。

ここでは、洗面台の排水口つまりを解消するために必要な道具や、真空式クリーナーやワイヤーを使った具体的な解決方法、またアクセサリーを誤って落としてしまった際の対処法について詳しく解説します。

洗面所の排水口つまり解消に必要な道具

洗面所の排水口つまりを解消するには、台所やお風呂場と同様の道具が必要ですが、洗面所特有の排水トラップの形状を考慮して選ぶことが重要です。

特に「真空式パイプクリーナー」がおすすめです。一般的なラバーカップ(スッポン)ではなく真空式を推奨する理由は、洗面台の排水口は比較的小さく、通常のラバーカップでは効果的に吸引できないためです。

また、ワイヤーを選ぶ場合は「洗面排水口専用」の短いものがよいでしょう。洗面所の排水管は「管トラップ」と呼ばれるS字に湾曲したパイプになっているため、長すぎるワイヤーはカーブを通過できずに効果を発揮できません。これらの道具に加え、業務用の排水管洗浄剤も用意しておくと良いでしょう。

真空式クリーナーで洗面所の排水口つまりを解消

洗面所の排水口つまりを真空式クリーナーで解消する際のポイントは「吸引」にあります。

通常のラバーカップでは効果的に吸引できないため、真空ポンプの使用が適しています。洗面所の排水パイプはS字のような形状の「管トラップ」であり、このパイプには継ぎ目があります。排水口に「正圧」をかけると管トラップの継ぎ目から水が漏れる可能性がありますが、吸引で「負圧」をかければ漏水リスクはほぼゼロです。

使用時は、洗面ボウルの横穴(オーバーフロー孔)をテープで塞ぐことが重要です。これをしないと、いくら排水口を吸引しても穴から空気が入って効果がありません。

真空ポンプのカップを排水口に強く押し当て、シリンダーを左手で持ち、右手でハンドルをギューッと引きます。引く方向での一方通行で吸引を繰り返すことで、つまりが解消されていきます。

ワイヤーで排水口のつまりを解消する方法

洗面所の排水口つまりをワイヤーで解消する場合、まず洗面台下のパイプ形状を確認しましょう。

U字管の下部に水抜き栓がある場合、ワイヤーの先端が引っかかって湾曲部を通過できないことがあるため注意が必要です。水抜き栓付きのS字パイプの場合は、ワイヤーよりも真空ポンプを選択する方が良いでしょう。

ワイヤーの利点は、つまりの原因に直接アプローチできる点です。つまり箇所に直接触れて押し流せるため、非常に効果的です。使用法は、ワイヤーの先端を排水口に入れ、取っ手をねじりながらなるべく深く挿入します。

ある程度入ったら、ねじったり押し引きしたりしてパイプ内側を掃除します。つまりが抜けると水が引いていくので、それを確認したら蛇口を開き、水を流しながらさらに掃除を続けるとより効果的です。

洗面台にアクセサリーを落としてしまった場合

洗面台にピアスやリングなどのアクセサリーを落としてしまった場合は、まず水を使わないことが重要です。

アクセサリーが流れないよう、気づいた時点ですぐに使用を停止しましょう。排水パイプが塩ビ製の場合は、自分で取り出すことが可能です。

具体的な回収方法は、まずS字部分の下にバケツを置き、S字パイプの水抜き栓を開けます。栓は「下から見て左回り」に回すと外れます。キャップを外すと、パイプに溜まった少量の水が流れ出てきます。アクセサリーが下水管に流れ去ることなくとどまっていれば、水と一緒に出てきます。

取り出し成功後は、外した栓を元通りに「下から見て右回り」に回して取り付けます。水漏れしないようしっかり締め、その後蛇口から少し水を出してパイプ内に水たまりを作りましょう。公共の洗面所でアクセサリーを落とした場合は、すぐに「使用停止の張り紙」をしてもらうよう施設管理者に依頼することが大切です。

洗濯機の排水口つまりを自分で解消する手順

縦型洗濯機

洗濯機の排水口つまりは、他の水回り設備と比べて対処に少し手間がかかります。その理由は、多くの場合、排水口が洗濯機の真下にあり、まず洗濯機を移動させなければアクセスできないためです。

特に大型のドラム式洗濯機の場合は作業が困難になることもありますが、自分で移動させられる程度の洗濯機であれば、DIYで解消することも可能です。

ここでは、洗濯機の排水口つまりを自分で解消するための具体的な手順を、洗濯機の移動から排水口の分解・清掃、そして元に戻すまでのステップを解説します。

洗濯機を移動する

洗濯機の排水口つまりを解消する最初のステップは、洗濯機を移動して排水口にアクセスできるようにすることです。排水口が洗濯機本体の真下に隠れている場合は、まず洗濯機を動かす必要があります。

作業を始める前に、洗濯機の蛇口を閉め、給水ホースを外します。多くの場合、給水ホースは洗濯機本体上部にあるネジを左回りに回すことではずせます。蛇口側は「ワンタッチカプラ」になっていることが多く、ツバを引くだけで簡単に外せます。また、作業中の漏電防止のため、電源コードも抜いておきましょう。

これらの準備ができたら、洗濯機を移動させて排水口が見えるようにします。洗濯機の排水ホースを排水口から引き抜き、排水口掃除の準備完了です。

排水口を分解して取り外す

排水口にアクセスできるようになったら、次は排水口を分解して汚れを除去します。まずは排水口の目皿を外します。目皿は左回りに回して外すタイプと、単純にかぶせてあるだけのタイプがあります。

次に筒状のトラップを外します。多くの場合、4か所にツメがついた部品になっていて、これらのツメを持って左回りに回すことで外れます。トラップは「カクッ」とフックが外れるタイプと、ネジのように何回転もするタイプがありますが、いずれも左回りに回します。

ツメ付きの部品が緩んだら、中央の筒を持って上に引き上げます。次に、排水口の水受けカップを外します。これは単に置いてあるだけなので、縁を持って引き上げるだけで外れます。

これで分解は完了です。排水口の中を掃除して、繊維くずなどの汚れを取り除きましょう。

分解した排水口を元に戻す

排水口の掃除が終わったら、分解した部品を元に戻します。この作業は分解時と逆の手順で行うため、非常に簡単です。まず水受けカップを排水口の穴に戻し、次に排水ホース接続ソケット(細い筒)を排水口の中央に設置します。でこぼこしている方を下にして置くだけでOKです。

その上から4つのツメが付いた筒トラップをかぶせ、今度は右回りに回して固定します。筒トラップが締め付けられて固定されたら、最後に目皿も元に戻します。目皿も右回りに回して取り付けるか、かぶせるだけのタイプならそのようにします。

排水口の分解掃除はこれで完了です。最後に、洗濯パンのヘリから少量の水を流しましょう。これは排水トラップの水張りのためで、防臭機能を維持するために重要な手順です。この仕上げを忘れると、「排水口の掃除をしたら急に悪臭が出てきた」という事態になりかねないので、必ず行いましょう。

まとめ

家庭の水回りの中でも、排水口のつまりは日常生活に大きな支障をきたす代表的なトラブルです。特にキッチン、お風呂、洗面台、洗濯機など場所によって原因や対処法が異なるため、適切な解消法を知っておくことが重要です。

本記事で紹介した方法を実践すれば、多くの場合は業者に依頼することなく自分でつまりを解消できます。重曹と酢の組み合わせや専用道具の活用など、状況に応じた対応を行うことで、時間とコストを大幅に節約できるでしょう。

ただし、複数箇所での同時つまりや自力で解決できない場合は、二次被害を防ぐためにも早めに専門業者への相談をおすすめします。日頃からの適切なお手入れが、快適な水回り環境を維持する鍵となります。

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