競輪の競走得点とは? 予想に役立つ重要な指標!

競輪の競走得点とは? 予想に役立つ重要な指標!

競輪の予想をする際、多くの情報が記載された出走表を目にしますが、その中で最も重要かつ基本的なデータが「競走得点」です。この数字は、選手の現在の強さや調子を客観的に示す指標であり、初心者からベテランまで、すべての競輪ファンが予想を組み立てる上での基礎となります。単に数字の高い選手が強いというだけでなく、選手間の得点差や他のデータと組み合わせることで、レース展開やラインの力関係まで読み解くことが可能です。

この記事では、競走得点がどのように計算され、選手のキャリアにどう影響するのか、そして、この重要な指標を実際の競輪予想にどう活かせば的中率を高めることができるのか、その見方とコツを徹底的に解説していきます。

目次

競輪の競走得点の意味とは?

競輪の競走得点の意味とは?

競輪の出走表に必ず記載されている「競走得点」。この数字が何を意味し、どのように算出され、選手のキャリアにどう影響するのか、その基本的な仕組みを理解することが、競輪予想の第一歩です。

競走得点の計算方法とは?

競走得点は、選手が各レースで獲得する「成績評価点」を基に計算されます。この成績評価点は、レースの格式(グレード)と着順に応じて、あらかじめ細かく定められています。最高峰のGP(グランプリ)やG1(GⅠ)といったグレードの高いレースほど、また、1着、2着といった上位の着順ほど高い点数が与えられます。

例えば、KEIRINグランプリの1着は300点、G1決勝の1着は170点ですが、下位グレードのF2予選の1着は80点となります。一方で、着外はもちろん、棄権や失格の場合は0点と計算されます。このように、より厳しい条件下で優れた成績を収めた選手ほど、高い競走得点を獲得できる仕組みになっています。

競輪の競走得点の算出方法

出走表に記載されている選手の「競走得点」は、個別のレースで得た点数そのものではなく、一定期間の成績を平均したものです。具体的には、審査対象となる直近4ヶ月間に出走した全レースの成績評価点を合計し、それを出走回数で割って算出されます。

つまり、この競走得点は、選手の現在の強さや調子を示す平均点と言えます。この算出期間は、前期(1月~6月)と後期(7月~12月)の2つに分かれており、それぞれの期間の成績が、その次の期の級班(クラス)を決定するための重要な基準となります。

出走表を見るときは、この数字が選手の直近のパフォーマンスを反映しているということを念頭に置きましょう。

競走得点が低すぎるとクビになるのは本当か?

競走得点は、選手の級班(S級・A級)を決定するだけでなく、選手のキャリアそのものを左右する非常にシビアな指標です。特に、A級3班(A3)の選手は、審査期間(前期・後期)の競走得点の平均が、定められたボーダーラインを下回り、かつその状況が一定期間続いた場合、強制的に引退させられる「代謝制度」の対象となります。

これは、競輪のレベルを維持し、新陳代謝を促すための厳しいルールです。選手たちは、この代謝制度を回避するため、常に一定以上の競走得点を維持し続けなければなりません。競走得点は、単なる強さの指標ではなく、プロの競輪選手としての生命線とも言える重要な数字なのです。

競輪の競走得点を活かす予想のコツは?

競輪の競走得点を活かす予想のコツは?

競走得点は、ただ高い・低いを見るだけでなく、選手間の差や他のデータと組み合わせることで、より精度の高い予想に繋がります。ここでは、競走得点を活用した実践的な予想のコツを見ていきましょう。

競輪予想における8点差以上の重要性

競輪予想にはいくつかのセオリーが存在しますが、その中でも特に有名なのが「競走得点の差」に関するものです。一般的に、対戦する選手間に競走得点で8点以上の差がある場合、その両者の間には明確な実力差が存在し、得点の低い選手が得点の高い選手に先着する(勝つ)ことは難しいとされています。

もちろん、レース展開や選手の相性によっては番狂わせも起こり得ますが、予想の基本として、この「8点差」は一つの大きな目安となります。特に、ラインを組む選手の順番(先行選手の後ろにつく番手選手)を決める際にも、この得点差が重要な判断材料となることが多いです。

競走得点と勝率の関係性を考える

競走得点が高い選手は基本的に強い選手ですが、それが必ずしも高い「勝率(1着になる確率)」に直結するとは限りません。

例えば、ラインの番手でレースを走る「追い込み型」の選手は、先行選手を勝たせるためのアシスト役(ブロックなど)に徹することが多く、自らが1着になることよりもラインでの上位独占を優先するため、競走得点が高くても勝率はそれほど高くないケースがあります。

予想する際には、競走得点だけでなく、選手の「勝率」や「連対率(2着以内に入る確率)」、そして得意な戦法を示す「決まり手」といったデータを合わせて見ることで、その選手の得点の「質」やレースでの役割をより深く見抜くことができます。

競走得点を活かすライン戦の戦略

競輪予想の根幹をなすのが「ライン」の力関係を読むことです。このラインの強さを測る上で、競走得点は非常に有効な指標となります。簡単な方法として、ラインを組む選手たちの競走得点を合計し、その合計点が最も高いラインが、そのレースで主導権を握る可能性が高いと判断することができます。 また、ラインの先頭を走り、レースのペースを作る「自力型」の選手の競走得点も重要です。強力な自力選手がいるラインは、他のラインを力でねじ伏せてしまう展開も考えられます。各ラインの総合力と、先頭を走る選手の突破力を、競走得点を基に比較検討することが、ライン戦の戦略を立てる上での基本となります。

競輪の競走得点ランキングをチェック!

競輪の競走得点ランキングをチェック!

現在、どの選手が好調で高い得点を維持しているのかを知ることは、予想の大きな助けになります。公式なランキングをチェックして、トップ選手たちの実力や、勢いのある注目選手を見つけ出しましょう。

男子選手の競走得点をチェック

競輪の公式ウェブサイトである「KEIRIN.JP」などでは、S級・A級それぞれの競走得点ランキングが定期的に更新・公開されています。このランキングを見ることで、現在の競輪界で誰がトップクラスの実力を持っているのかが一目でわかります。常に上位に名を連ねる常連選手は、安定して高いパフォーマンスを発揮している証拠です。

また、前回見た時よりも順位を大きく上げている選手がいれば、それは現在非常に調子が良い「上がり馬」である可能性を示唆しています。レースを予想する際には、出走表の得点だけでなく、こうしたランキング情報も併せて確認することで、より広い視野で選手の実力を評価することができます。

ガールズケイリンの競走得点をチェック

現在、大きな人気を集めている女子競輪「ガールズケイリン」の選手たちにも、男子選手と同様に競走得点がつけられています。L級(エルきゅう)と呼ばれる女子選手の競走得点ランキングも、公式サイトなどで確認することができます。

ガールズケイリンは、男子競輪のような明確なライン戦がなく、個々の選手の力がよりストレートに結果に結びつきやすいという特徴があります。そのため、競走得点が選手の強さをより直接的に反映していると言えるかもしれません。ランキング上位の選手は、やはり優勝争いの常連であることが多く、予想の軸として非常に信頼性の高い存在となります。

競走得点の過去最高記録は131.14

競走得点という指標がどれほどのものかを知るために、過去の最高記録に触れてみましょう。競輪の長い歴史の中で、競走得点の最高記録とされているのが、レジェンド・神山雄一郎選手が1997年に記録した「131.14」という驚異的な数字です。現在のトップ選手(S級S班)でも、競走得点は120点前後であることが多く、130点を超えることはまずありません。

この数字は、当時の神山選手がいかに圧倒的な強さを誇っていたかを示す伝説的な記録として、今なお語り継がれています。現在の選手の得点を見る際に、この歴史的な記録を頭の片隅に置いておくと、その数字の重みがより深く感じられるかもしれません。

競輪の競走得点に関するよくある質問

競輪の競走得点に関するよくある質問

競輪予想に役立つ競走得点ですが、初心者の方からは様々な疑問が寄せられます。ここでは、よくある質問とその答えをまとめました。

競走得点の信頼性は低い?当てになるのか?

結論から言うと、競走得点は選手の強さを示す上で最も客観的で信頼性の高いデータの一つです。直近4ヶ月間の成績の平均値であるため、一時的な好不調だけでなく、その選手の安定した実力を反映しています。

ただし、競走得点だけでレースの全てが決まるわけではありません。選手のその日のコンディション、競輪場のバンク特性(直線距離の長さ、傾斜など)、天候(風向きなど)、そして何よりもレース展開やラインの駆け引きといった、データには表れない要素も大きく結果を左右します。競走得点を予想の「基礎」としつつ、他の要素も加味して総合的に判断することが重要です。

競走得点に失格が反映されるか?

失格は競走得点に大きく反映されます。レース中に失格となった場合、そのレースで獲得できる成績評価点は0点となります。競走得点は期間内の平均点で算出されるため、一度でも失格すると、平均点を大きく引き下げる要因となります。例えば、平均して90点を獲得している選手が一度失格すると、その0点が計算に含まれるため、次の審査期間の競走得点は大きく下がってしまいます。したがって、出走表を見る際に、失格の回数が多い選手は、競走得点が実力よりも低く出ている可能性や、レース運びが荒っぽい傾向があるなどを読み取ることができます。

競走得点による級班のボーダーは?

競輪選手の所属する級班(S級1班、S級2班、A級1班、A級2班、A級3班)は、年に2回(前期:1月~6月、後期:7月~12月)の審査期間における競走得点の平均点によって決定されます。各級班に在籍するためには、それぞれ定められたボーダーラインとなる競走得点をクリアする必要があります。

例えば、S級1班に在籍し続けるためには、約110点前後、A級1班であれば約90点前後といった大まかな目安が存在します。このボーダーラインは、選手全体のレベルによって毎回微妙に変動します。選手たちはこのボーダーを意識しながら、日々のレースを戦っています。

競走得点による代謝のボーダーは?

競輪界の厳しいルールの一つに「代謝制度」があります。これは、主にA級3班(A3)の選手を対象としたもので、選手のレベルを一定以上に保つために設けられています。

具体的には、連続する2期または3期の審査期間において、競唱得点の平均点が定められたボーダーライン(例:約70点)を下回った選手が、強制的に選手登録を消除される(引退となる)制度です。

この代謝制度があるため、A級3班の選手たちは、常に競走得点のボーダーを意識した厳しい戦いを強いられます。まさに、競走得点が選手生命そのものを左右する、シビアなルールと言えるでしょう。

まとめ

競走得点は、単なる数字の羅列ではなく、選手の強さ、現在の調子、得意な戦法、そして時にはその選手のキャリアそのものまでをも映し出す、競輪予想において最も信頼性の高い指標です。この競走得点を正しく読み解き、選手間の力関係やラインの強さを分析することが、的中への第一歩となります。 しかし、競輪の面白さは、データだけでは測れない人間同士の駆け引きや、その日のコンディション、レース展開といった不確定要素にあります。競走得点という客観的なデータを予想の「基礎」としながら、レース前の選手コメントや、バンクの特性、天候といった様々な要素を加味していくことで、予想はより深く、そして面白くなります。 この記事で解説した競訪得点の見方や活用法を参考に、ぜひあなた自身の予想スタイルを確立し、競輪の持つ知的な魅力と興奮を存分に味わってみてください。

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