生ごみって燃えるごみと一緒? 捨て方の違い

生ごみの処理は毎日の生活で避けて通れない課題です。特に新しい地域に引っ越したばかりの方は、ごみ捨てルールの違いに直面するでしょう。

実は生ごみの捨て方は自治体によって異なり、地域のルールに合わせた処理が必要です。また、水分を多く含む生ごみは放置すると数時間で臭いが発生し始め、虫が湧く原因にもなります。

この記事では、生ごみと燃えるごみの正しい分別方法や、臭いを抑える水分対策まで、快適な生活を送るためのごみ処理のポイントを紹介します。

目次

生ごみと燃えるごみは分ける?生ごみを捨てる方法

生ごみと燃えるごみの分別については、お住まいの自治体によって異なります。多くの自治体では生ごみは燃えるごみ(可燃ごみ)として一緒に捨てられますが、一部の自治体では生ごみを別途回収するケースもあります。たとえば長岡市では、生ごみ専用の指定袋(ピンク系半透明)を用意していて、バイオガス発電に活用しています。

生ごみは水分が多いと悪臭の原因になるだけでなく、燃やしたときの燃焼効率も下がってしまいます。捨てる前には水切りをしっかり行うことがポイントです。また、少量の生ごみでも溜めずに定期的に捨てることで、臭いや虫の発生を防げます。

「燃えるごみ・可燃ごみ」として分別できるごみの正しい捨て方

燃えるごみ(可燃ごみ)として捨てられるものは多岐にわたります。各自治体のルールによって若干の違いはありますが、基本的には燃やすことができるものが対象となります。

ただし、素材によって前処理の方法が異なるため、適切な捨て方を知っておくことが大切です。特に水分を多く含むものや、そのまま燃やすと有害物質を発生させる可能性があるものは、正しい処理が必要です。

生ごみ

生ごみを捨てる際に大切なのが、十分な水切りです。水分を含んだ生ごみは腐敗が早く、悪臭や虫の発生原因となります。生ごみの重さの約8割は水分と言われており、水切りをすることで燃焼効率も向上します。

野菜くずや果物の皮などは、キッチンペーパーなどで水分を拭き取ってから捨てましょう。冷凍保存しておくと臭いの発生を抑えられるため、ごみ出し日までの保管方法としても効果的です。

一部の自治体では生ごみを資源として活用するため、専用の袋で回収している地域もあります。ただし、野菜の枝や茎など食べない部分は燃えるごみとして分類されることが多いので気をつけましょう。野菜の実や果物に付属する枝や茎も、燃えるごみに分類されます。

衣類・布製品

衣類や布製品は基本的に燃えるごみとして捨てることができます。

ボタンやファスナーなどの金属部分は、小さければ取り外さずそのまま捨てられます。ただし、衣類の資源回収を実施している自治体も多いため、状態の良いものはリサイクルに回すことを検討しましょう。雨の日は濡れると資源として活用できなくなるため、晴れの日に出すのがベストです。

大量の衣類を一度に捨てる場合は、自治体によっては有料での回収となることもあります。

食用油

食用油は、そのまま排水口に流すと環境汚染や配管の詰まりの原因になります。少量の場合は、新聞紙や布、キッチンペーパーなどに染み込ませ、燃えるごみとして捨てられます。または、市販の固める剤を使って固形化してから捨てる方法もあります。

大量に発生する場合は、専用の容器に入れて資源として回収している自治体もあるため、確認してみるといいでしょう。自動車用のオイルなど、食用以外の油は専門の業者に処理を依頼する必要があります。

木くず・枝・葉

庭の手入れなどで出る木くずや枝、落ち葉は燃えるごみとして捨てられます。ただし、長いものは自治体が指定する長さ(多くは30〜50cm程度)に切り、束ねてから捨てる必要があります。量が多い場合は、一度に全て出すのではなく、少しずつ分けて捨てるのがマナーです。

大量に出る場合は、有料での回収や粗大ごみとして扱われることもあるため、事前に自治体に確認しましょう。

紙おむつ

紙おむつは、汚物を取り除いてから燃えるごみとして捨てます。

汚物はトイレに流し、おむつ自体は小さく丸めるか新聞紙などで包んでから捨てると衛生的です。尿とりパッドや生理用品、ペットシート、お尻拭きなども同様に燃えるごみとして処理できます。

一部の自治体では、生ごみと紙おむつを一緒に収集する日を設けている場合もありますが、その際は指定された方法(例:袋に「紙おむつ」と表示するなど)で出す必要があります。

ゴム製品

ゴム製品はスニーカーやゴムホース、ボール、ゴム手袋など様々なものがあります。これらは基本的に燃えるごみとして捨てられます。ただし、金属部分が多い場合は取り外して金属ごみとして分別するか、取り外せない場合は不燃ごみとして捨てる自治体もあります。

ゴム製品は燃やすと有害物質が発生する可能性があるため、自治体によっては不燃ごみに分類されることもあります。

長いゴムホースなどは、短く切って出すよう求められる場合もあるため、事前に確認しましょう。使えるものはリサイクルショップなどに持ち込むのも一つの選択肢です。

古紙として回収できない紙くず

ティッシュペーパーや紙コップ、汚れた紙など、リサイクルできない紙類は燃えるごみとして捨てます。紙でも、油や食品が付着したもの、防水加工されたもの、感熱紙、写真、カーボン紙などは古紙回収に出せません。シュレッダーにかけた紙も、繊維が短くなるためリサイクルには不向きで、多くの自治体では燃えるごみとして処理されます。

紙製の食品容器も、中身を空にして軽く洗えばリサイクル可能なものもありますが、汚れが落ちない場合は燃えるごみになります。紙類は燃えるごみの中でも嵩張りやすいため、できるだけ小さくまとめると効率的です。

皮革製品

靴やカバン、ベルトなどの革製品や合成皮革製品は、基本的に燃えるごみとして処理できます。金属の部分(バックルなど)が付いている場合でも、大部分が革や合成皮革であれば燃えるごみとして捨てられます。ただし、金属部分が取り外せる場合は分別して、金属は不燃ごみとして出すのがベストです。

使えるものであれば、リサイクルショップやフリマアプリなどで再利用を検討するといいでしょう。状態の良い革製品は需要があり、資源の有効活用にもつながります。皮革製品は燃やすと独特の臭いが出るため、少量ずつ捨てるようにしましょう。

リサイクルできないもの

電池やライター、スプレー缶など、燃やすと危険なものは燃えるごみではなく、有害危険ごみとして別途回収されます。特に充電式電池やモバイルバッテリーは、収集車の火災原因となる恐れがあるため、専用の回収ボックスに出します。自治体によって回収しているところもあります。

そのほか、薬品や農薬などは市町村では処理できないため、販売店や製造メーカーに相談が必要です。

プラスチック製品の中には、燃やすと有害ガスを発生するものもあり、自治体によっては不燃ごみに分類されることもあります。わからない場合は自治体のごみ分別ガイドなどで確認するか、直接問い合わせると確実です。

汚れが付着したプラスチック・金属が混ざっているプラスチック

プラマークがあるプラスチック製品は、基本的にプラスチック資源として分別されますが、食品などの汚れが付着したものや銀色の部分があるもの、洗っても落ちない油汚れがあるものは、多くの自治街が燃えるごみとしています。チューブ容器や油のボトル、レトルト食品の袋、ラップなども同様です。

プラマークがない日用品やおもちゃなどのプラスチック製品も、回収している自治体もありますが、多くが燃えるごみで出します。また、プラスチックと金属が複合している製品は、簡単に分解できれば分別し、難しい場合は主な素材に従って分別するのが一般的です。

生ごみの捨て方のポイントは水分対策

生ごみの処理で最も大切なのは水分対策です。水分を多く含んだ生ごみは、腐敗が早く悪臭の原因となるだけでなく、処理施設での燃焼効率も悪くなります。

生ごみの量が少なくても、放置すると数時間で臭いが発生し始め、24〜48時間以内には虫が発生する可能性があります。また、水分の多い生ごみを燃やすと、余分なエネルギーを消費してしまうため、環境への負荷も大きくなります。

効果的な水分対策で快適な暮らしを維持しましょう。

キッチンペーパーや新聞紙で水分対策

生ごみの水分対策として、キッチンペーパーや新聞紙を活用する方法が簡単でおすすめです。野菜くずや果物の皮などの水分を拭き取り、生ごみの袋に入れる前に水気を十分に切りましょう。

新聞紙は吸水性が高く、生ごみの水分をしっかりと吸収してくれるので、生ごみをくるんだり、ごみ箱の底に敷いたりするのが効果的です。新聞紙のインクは消臭効果が期待できるため、生ごみから発生する不快な臭いも吸い取ってくれます。

ただし、一部の自治体では生ごみを紙で包まないよう指示しているケースもあるため、地域のルールを確認しましょう。

生ごみを天日干しする

天気の良い日に生ごみを天日干しすると、水分が蒸発して減量効果が得られます。また、悪臭の防止や害虫の発生防止にもつながります。

野菜くずや果物の皮などを網やザルに広げ、直射日光に当てて乾燥させます。乾燥した生ごみは軽くなり、腐敗も遅くなるため、ごみ出しの頻度が少ない一人暮らしの方にとって便利な方法です。

ただし、天日干しの際は衛生面や近隣への配慮が必要です。臭いが強い魚や肉の生ごみは避け、干す場所も風通しの良い場所を選びましょう。

生ごみ処理機を活用する

生ごみ処理機は、家庭で手軽に生ごみの量を減らせる便利なアイテムです。電気式、コンポスト式、乾燥式など様々なタイプがあります。

電気式:短時間で生ごみを分解・乾燥させる
コンポスト式:微生物の力で発酵分解させて堆肥化
乾燥式:水分を蒸発させて生ごみの体積と重量を減らす

初期費用はかかりますが、長期的に見るとごみ出しの手間や臭い対策に役立ちます。賃貸住宅の場合は、電気代や設置スペースなどを考慮して選ぶことをおすすめします。

燃えるごみ・生ごみの捨て方は自治体によっても異なるので注意

燃えるごみや生ごみの捨て方は、自治体によって大きく異なります。生ごみ専用の指定袋で分別しているところもありますが、多くの自治体では生ごみも燃えるごみとして一緒に捨てられます。

指定袋の種類や色、出す曜日や時間なども地域ごとに決められています。特に引っ越した直後は、前の住まいと同じルールだと思い込まず、必ず新しい地域のルールを確認しましょう。

自治体のホームページやごみ分別アプリなどを活用して、正しい捨て方を確認することが大切です。

まとめ

生ごみと燃えるごみの分別方法は地域によって異なりますが、どちらにしても水分対策が最も重要です。水切りをしっかり行うことで悪臭や虫の発生を防ぐだけでなく、処理施設での燃焼効率も向上させることができます。少量でもこまめにごみを出す習慣をつけることで、部屋の中の不快な臭いを防止できるでしょう。

また、お住まいの自治体のルールを確認し、地域に合った適切なごみ処理を心がけましょう。地域のルールに合った正しいごみ処理は、ご近所トラブルの回避にもつながります。

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