競馬での全通り買いはいくら?他の公営競技と儲かるのかも比較

競馬での全通り買いはいくら?他の公営競技と儲かるのかも比較

競馬で確実に的中させる方法として全通り買いがありますが、実際にはどれくらいの資金が必要なのでしょうか。本記事では競馬の券種別に必要な金額を計算し、競輪や競艇など他の公営競技と比較しながら、全通り買いで本当に儲かるのかを解説。全通り買いを検討している方や、より効率的な投資方法を探している方に役立つ情報をお届けします。

目次

競馬の全通り買いに必要な金額計算

競馬の全通り買いに必要な金額計算

競馬の全通り買いに必要な金額は、券種と出走頭数によって大きく異なります。単勝のような簡単な券種では数千円で済みますが、3連単のような複雑な券種では数十万円が必要になる場合もあります。

各券種の組み合わせ数は数学的な計算によって求められ、その数に最低購入金額の100円を掛けることで必要資金が分かります。実際の投資判断をする上で、これらの金額を把握しておくことは非常に重要です。

単勝・複勝の全通り買い金額と特徴

単勝は1着になる馬を当てる最もシンプルな券種で、18頭立てのフルゲートでも1,800円で全通り買いが可能です。出走頭数がそのまま買い目数となるため、計算も簡単で初心者にも分かりやすい特徴があります。

複勝は1頭の馬が3着以内に入れば的中となる券種で、単勝と同じく出走頭数分の買い目となります。18頭立てで1,800円という少額で全通り買いができ、しかも各馬が3着以内に入る可能性があるため、実質的な的中率は単勝より高くなります。

ただし、これらの券種は配当が低い傾向にあり、人気馬が上位に来た場合は全通り買いをしても赤字になる可能性が高いです。

馬連・馬単の出走頭数別必要資金

馬連は1着と2着の組み合わせを着順不問で当てる券種で、18頭立てでは153通りとなり、15,300円が必要です。計算式は「出走頭数×(出走頭数-1)÷2」で求められ、16頭なら12,000円、14頭なら9,100円と、出走頭数が減るにつれて必要資金も大幅に減少します。

馬単は1着と2着を着順通りに当てる必要があるため、馬連の2倍の組み合わせ数となります。18頭立てでは306通りで30,600円、16頭では24,000円、14頭では18,200円が必要です。

馬連と馬単では、出走頭数が2頭減るだけで必要資金が20%以上削減されるため、少頭数のレースを狙うことで投資効率を上げることができます。

ワイド全通りの組み合わせ数計算方法

ワイドは選んだ2頭が3着以内に入れば的中となる券種で、組み合わせ数は馬連と同じ計算式で求められます。18頭立てでは153通りとなり、必要資金は15,300円です。

ワイドの特徴は、1レースで最大3つの組み合わせが的中する可能性があることです。1-2着、1-3着、2-3着の3パターンが同時に的中するため、全通り買いでも複数の払戻を受けられます。

出走頭数別では、16頭で120通り(12,000円)、14頭で91通り(9,100円)、12頭で66通り(6,600円)となり、少頭数レースほど投資効率が良くなります。

3連複の頭数別購入金額一覧

3連複は1着から3着までに入る3頭を着順不問で当てる券種で、計算式は「出走頭数×(出走頭数-1)×(出走頭数-2)÷6」です。18頭立てでは816通りとなり、81,600円が必要になります。

出走頭数別の必要資金を見ると、16頭で560通り(56,000円)、14頭で364通り(36,400円)、12頭で220通り(22,000円)、10頭で120通り(12,000円)となります。

3連複は3連単に比べて買い目数が6分の1になるため、比較的現実的な金額で全通り買いが可能ですが、それでもフルゲートでは8万円を超える投資が必要です。

3連単18頭立てで489,600円の内訳

3連単は1着から3着までを着順通りに当てる最も難しい券種で、18頭立てでは4,896通りという膨大な組み合わせ数になります。1点100円で購入すると489,600円が必要で、これは一般的なサラリーマンの月収を超える金額です。

計算式は「出走頭数×(出走頭数-1)×(出走頭数-2)」で、16頭では3,360通り(336,000円)、14頭では2,184通り(218,400円)となります。

競馬と他の公営競技の全通り買い比較

競馬と他の公営競技の全通り買い比較

日本には競馬以外にも競輪、競艇、オートレースという公営競技があり、それぞれ出走数や組み合わせ数が異なります。全通り買いに必要な金額を比較することで、各競技の特徴や投資効率の違いが明確になります。

競技によって最大出走数が異なるため、全通り買いの現実性も大きく変わってきます。特に3連単での比較では、必要資金に10倍以上の差が生じる場合もあります。

競輪の車番別全通り金額(7車・9車)

競輪は主に7車立てと9車立てで開催され、3連単の全通り買いは7車立てで210通り(21,000円)、9車立てで504通り(50,400円)となります。競馬の18頭立てと比較すると、必要資金は10分の1から4分の1程度で済みます。

2車単では7車立てで42通り(4,200円)、9車立てで72通り(7,200円)と、さらに少額での全通り買いが可能です。2車複なら7車立てで21通り(2,100円)、9車立てで36通り(3,600円)となります。

競輪は出走数が少ないため全通り買いが現実的な選択肢となりやすく、特に7車立てのレースでは比較的少ない資金で挑戦できます。

競艇6艇固定の全通り買いメリット

競艇は常に6艇で行われるため、3連単でも120通り(12,000円)で全通り買いが可能です。これは競馬の18頭立ての約40分の1の金額で、公営競技の中で最も少額で全通り買いができます。

2連単なら30通り(3,000円)、3連複は20通り(2,000円)、2連複は15通り(1,500円)と、どの券種でも手頃な金額で購入できます。単勝と複勝はそれぞれ6通りで600円です。

競艇の全通り買いは資金面でのハードルが低く、初心者でも挑戦しやすいメリットがあります。ただし、配当も相応に低くなる傾向があるため、収支面での注意が必要です。

オートレース8車立ての組み合わせ数

オートレースは原則8車立てで開催され、3連単の全通り買いは336通り(33,600円)となります。これは競輪の9車立てと競馬の中間的な金額で、比較的バランスの取れた投資額と言えます。

2車単は56通り(5,600円)、3連複は56通り(5,600円)、2車複は28通り(2,800円)となり、競輪とほぼ同じ水準の必要資金です。

オートレースは出走数が固定されているため計算がしやすく、レースごとの資金管理が容易というメリットがあります。

各競技の最大購入金額の比較

3連単の全通り買いに必要な最大金額を比較すると、競馬(18頭)が489,600円、競輪(9車)が50,400円、オートレース(8車)が33,600円、競艇(6艇)が12,000円となります。競馬は他の競技の10倍から40倍もの資金が必要です。

この差は主に最大出走数の違いによるもので、競馬の18頭に対して競艇は6艇と3分の1しかありません。組み合わせ数は出走数の3乗に比例して増加するため、わずかな出走数の差が大きな金額差につながります。

投資効率を考えると、少ない資金で全通り買いを試したい場合は競艇が最適で、次いでオートレース、競輪の順となります。競馬は資金面でのハードルが最も高い競技と言えます。

全通り買いで儲からない仕組み

全通り買いで儲からない仕組み

全通り買いは必ず的中するという大きなメリットがありますが、実際には構造的に儲からない仕組みになっています。これは公営競技の運営システムに起因するもので、どんなに工夫しても避けられない問題です。

JRA控除率20-30%による必然的損失

JRAでは券種により20%から30%の控除率が設定されており、単勝と複勝は20%、馬連と枠連は22.5%、ワイドは25%、馬単と3連複は25%、3連単は27.5%、WIN5は30%となっています。

控除率とは売上から差し引かれる運営側の取り分で、残りが的中者への払戻に充てられます。例えば3連単で1億円の売上があった場合、2,750万円が控除され、7,250万円が払戻原資となります。

全通り買いをすると売上の一定割合を必ず購入することになるため、控除率分だけ確実に損失が発生します。これが全通り買いで儲からない根本的な理由です。

他の公営競技の控除率25-30%の影響

競輪と競艇は一律25%、オートレースは約30%の控除率が設定されています。これらの控除率はJRAの主要券種とほぼ同水準で、どの公営競技でも購入者に不利な構造となっています。

例えば競艇の3連単を12,000円で全通り買いした場合、理論的な払戻期待値は9,000円(75%)となり、3,000円の損失が確定します。これは何度繰り返しても変わらない数値です。

理論的回収率が100%を下回る理由

全通り買いの理論的回収率は「100%-控除率」となり、必ず100%を下回ります。JRAの3連単なら72.5%、競艇なら75%が理論値で、これを超えることは構造上不可能です。

実際の検証データでも、3連単の全通り買いで回収率39.16%、3連複で38.72%という結果が出ており、理論値をさらに下回っています。これは高額配当のレースが少なかったためです。

高配当でも赤字になる計算例

18頭立ての3連単で10万円の配当が出たとしても、全通り買いの投資額489,600円を回収することはできません。実に約39万円の赤字となり、回収率は約20%にとどまります。

仮に50万円という超高額配当が出ても、収支はわずか10,400円のプラスで、回収率は102%程度です。これだけの高配当を当てても、利益率は2%しかありません。

現実的には10万円を超える配当は稀で、平均配当の13万円程度では37万円以上の赤字となります。高配当狙いでも全通り買いでの利益確保は極めて困難です。

全通り買いより効率的な投資法

全通り買いより効率的な投資法

全通り買いの非効率性を理解した上で、より現実的で効率的な投資方法を検討する必要があります。買い目を絞り込むことで投資額を抑えながら、的中時の利益を最大化する方法がいくつか存在します。

部分的全通りによるリスク軽減

部分的全通りとは、特定の馬を固定して残りを全通りで購入する方法で、例えば1着を2頭に絞って2-3着を全通りにすると、買い目は2×17×16=544通りとなり、投資額を約9分の1に削減できます。

さらに1着を1頭に固定すれば272通り(27,200円)まで減らせます。この方法なら、固定した馬が想定通りの着順に来れば高い回収率が期待でき、リスクとリターンのバランスが取れます。

人気馬や自信のある馬を軸にすることで的中率を維持しながら、投資額を大幅に削減できる効率的な方法です。

ボックス買いとフォーメーションの活用

ボックス買いは選んだ複数の馬の全組み合わせを購入する方法で、5頭ボックスなら3連単で60通り(6,000円)、3連複で10通り(1,000円)となります。全通り買いと比べて大幅に投資額を抑えられます。

フォーメーションは各着順に異なる頭数を配置する方法で、1着2頭、2着5頭、3着8頭なら80通り(8,000円)となります。予想に応じて柔軟に買い目を調整でき、効率的な投資が可能です。

これらの方法は予想力が必要ですが、全通り買いの10分の1以下の投資で、的中時には同等以上の払戻が期待できます。

人気馬を軸にした効率的な買い方

1番人気馬の3連単での3着内率は約60%というデータがあり、これを活用することで効率的な買い方ができます。1番人気を3着内に固定した3連単なら、買い目は3×17×16=816通りとなり、全通りの約6分の1で済みます。

2番人気まで含めれば3着内率は約80%に上昇し、より高い的中率が期待できます。1-2番人気の2頭を3着内に固定すれば、買い目はさらに削減可能です。

人気馬の信頼度を活用することで、少ない投資で高い的中率を維持できる現実的な方法と言えます。

オッズを考慮した買い目の絞り込み

オッズが極端に低い組み合わせを除外することで、効率的な投資が可能になります。例えば3連単で100倍未満の買い目を除外すれば、投資額を半分以下に削減できる場合があります。

合成オッズという考え方を使い、複数の買い目でもトータルで一定以上の配当が期待できるよう調整する方法もあります。各買い目の購入金額を調整し、どの組み合わせでも利益が出るように配分します。

オッズ分析により期待値の低い買い目を除外し、高配当が期待できる組み合わせに資金を集中させることで、回収率の向上が見込めます。

資金配分による疑似全通り戦略

全ての買い目を同額で購入するのではなく、オッズに応じて購入金額を変える方法です。低オッズには少額、高オッズには多額を配分することで、的中時の払戻を平準化できます。

例えば、払戻目標を5万円に設定し、各買い目の購入金額を「5万円÷オッズ」で計算します。100倍なら500円、500倍なら100円という具合に、オッズに反比例した金額を投資します。

この方法なら全通り買いと同じ的中率を保ちながら、低配当での大損失を回避でき、高配当時の利益を確保できます。ただし、全買い目の購入は現実的でないため、ある程度の絞り込みは必要です。

まとめ

競馬の全通り買いは、18頭立ての3連単で約49万円という莫大な資金が必要となり、他の公営競技と比較しても突出して高額です。必ず的中するという魅力はありますが、控除率の存在により構造的に儲からない仕組みになっています。

全通り買いで利益を出すためには、平均配当を大きく上回る高額配当が必要ですが、現実にはそのようなレースは稀です。むしろ、部分的全通りやボックス買い、人気馬を軸にした買い方など、買い目を絞り込む方法の方が効率的です。

賢明な投資をするためには、全通り買いの幻想から脱却し、オッズ分析や資金配分を活用した戦略的なアプローチが重要です。的中率100%にこだわるよりも、長期的な回収率向上を目指すことが、競馬を楽しみながら利益を追求する現実的な方法と言えます。

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