ディスポーザーを戸建に設置!費用やメリット・デメリットも解説

電動ディスポーザー付きのシンク

キッチンでの生ごみ処理、ニオイや虫の発生に悩んでいませんか?マンションでは標準装備も増えた「ディスポーザー」、実は戸建住宅にも設置可能です。

三角コーナーが不要になり、キッチンを清潔に保てるだけでなく、ごみ出しの負担軽減や環境への配慮にもつながるディスポーザー。しかし、設置には自治体の許可や維持費など、知っておくべき条件もあります。

この記事では、戸建住宅にディスポーザーを設置する際の費用相場や必要な手続き、メリット・デメリットなどを解説します。

キッチン環境を快適にしたい方、家事の負担を減らしたい方必見。設置を検討する前に確認すべきポイントがすべてわかります。

目次

ディスポーザーとは?

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ディスポーザーは、キッチンのシンク排水口に設置する生ごみ粉砕機のことです。シンクで発生した生ごみを粉砕処理することで、臭いや虫の発生を抑え、キッチン環境を清潔に保つ設備として人気があります。

ディスポーザーには主に3つのタイプがあります。「機械処理タイプ」は粉砕した生ごみを機械システムで処理し、処理水のみを下水道に流す方式で、戸建てでも設置しやすいのが特徴です。

「生物処理タイプ」は粉砕した生ごみを専用の処理槽で微生物によって分解するもので、主にマンションで採用されています。

「単体ディスポーザー」は生ごみを粉砕してそのまま下水道に流す方式ですが、下水管への負担が大きいため、ほとんどの自治体で設置が認められていません。

1927年にアメリカで発明されたディスポーザーは、日本では1990年頃から普及し始め、特に近年はSDGsの観点からも注目を集めています。使い方は簡単で、生ごみを排水口に入れて水を流しながらスイッチを押すだけで処理できます。

ディスポーザーのメリット

メリット(Merit)とチョークで書かれた黒板

戸建て住宅にディスポーザーを設置するメリットは数多くあります。日々の家事負担を大幅に軽減するだけでなく、生活環境の改善や環境保全にも貢献します。特に、キッチンでの調理や後片付けが多い家庭では、その効果を実感しやすいでしょう。

ここでは、戸建て住宅にディスポーザーを導入する主なメリットについて詳しく解説します。

ごみの量が減る

ディスポーザーを戸建て住宅に設置すると、家庭から出る生ごみの量を大幅に削減できます。一般家庭のごみの中で、生ごみは容積・重量ともに大きな割合を占めています。機械処理タイプのディスポーザーでは、粉砕した生ごみを水分と分離し、乾燥処理によって軽量化します。

これにより、ごみ出しの回数や量が減少し、特に夏場など生ごみが腐敗しやすい季節の負担が軽減されます。4人家族の場合、乾燥させた生ごみを取り出す頻度は約2カ月に1回程度と非常に少なくなります。またごみ袋の使用量も減るため、ごみ袋代の節約にもつながります。

さらに、水分を多く含む生ごみが減ることで、ごみ箱が濡れたり臭ったりする心配も少なくなり、清潔な環境を維持しやすくなるのも大きなメリットです。

三角コーナーなどを置く必要がない

戸建て住宅にディスポーザーを設置すると、シンクに三角コーナーを置く必要がなくなります。これによりシンク内のスペースが広く使えるようになり、調理や食器洗いがしやすくなります。

三角コーナーに生ごみを溜めておくと、どうしても悪臭が発生し、特に夏場はキッチン全体に不快な臭いが広がることも。ディスポーザーがあれば、調理中に出た生ごみをその場で処理できるため、キッチン内の衛生状態が格段に向上します。

また、生ごみを放置することで発生するコバエやハエなどの害虫も防ぐことができます。生ごみが溜まらないことで繁殖の機会がなくなり、特に温暖な季節でもキッチンを清潔に保てます。シンクまわりがすっきりとした状態に保てるため、見た目も美しく、キッチン作業がより快適になります。

環境への配慮ができる

戸建て住宅にディスポーザーを設置することは、環境保全にも大きく貢献。通常、生ごみは水分を多く含むため、焼却処理に時間とエネルギーがかかり、二酸化炭素の排出量増加につながります。

機械処理タイプのディスポーザーを使用すると、生ごみは水分と分離され、処理水のみが下水道に流れます。固形物は乾燥処理されて軽量化され、燃えるごみとして効率的に処理できるようになります。これにより、ごみ焼却時の環境負荷を大幅に軽減可能。

また一部の機種では、乾燥した生ごみを土と混ぜることで肥料として再利用できるものもあります。生ごみが塩分などの水分とともに流されることで、再利用に適した状態になるためです。このようにディスポーザーは持続可能な社会を実現するSDGsの取り組みにも合致した、環境に優しい設備といえます。

ディスポーザーのデメリット

デメリット(Demerit)とチョークで書かれた黒板

戸建て住宅にディスポーザーを導入する際は、メリットだけでなくデメリットもしっかり把握しておくことが大切です。便利な設備ではありますが、いくつかの課題や制約があります。

ここでは、戸建て住宅でディスポーザーを使用する際に考慮すべき主なデメリットについて詳しく解説します。導入を検討する前に、これらのポイントをよく理解しておきましょう。

費用が掛かる

戸建て住宅にディスポーザーを設置する場合、まずは導入コストの高さが大きなデメリットとなります。

機械処理タイプのディスポーザー本体価格は約30万円前後、工事費が3万円〜で、合計35万円〜40万円程度が一般的な費用相場です。リフォームで後付けする場合は、現地調査費用として別途1万円以上かかることもあります。

さらに、ディスポーザーを快適に使い続けるためには、年に1回の維持管理点検が必要で、その費用は1回あたり約1万円程度かかります。この点検は自治体への報告義務もあるため省略できません。電気代や水道代などのランニングコストも考慮する必要があります。

また、ディスポーザーの耐用年数は約10年とされており、寿命が来たら本体交換のための費用も発生します。戸建てにディスポーザーを設置する際は、これらの初期費用とランニングコストをトータルで考慮する必要があります。

処理できない生ごみがある

ディスポーザーは便利な設備ですが、すべての生ごみを処理できるわけではありません。製品によって処理できるものと処理できないものが明確に分かれており、この制約を理解しておくことが重要です。

一般的に処理できるものとしては、野菜くず、魚の小骨、卵の殻、果物の皮や肉くずなどがあります。一方、処理できないものとしては、牛や豚などの大きな骨、はまぐりやサザエなどの大きな貝殻、桃やアボカドなどの大きな種が挙げられます。これらの硬いものを誤って投入すると、ブレードを傷めて故障の原因となります。

また、とうもろこしの皮や葉物野菜などの繊維質の強いものは、製品によっては処理できないことがあります。これらは繊維がブレードに絡みつき、モーターに負担をかけるためです。使用前に製品の説明書で処理可能なものを確認し、適切に分別する必要があります。

修理代が高い

戸建て住宅のディスポーザーが故障した場合、修理費用が高額になることも重要なデメリットです。ディスポーザーは精密機器であるため、専門的な知識や技術を持った修理業者に依頼する必要があります。

特に注意すべきは、スプーンやフォークなどの金属製品が誤って混入した場合の故障です。回転刃が損傷すると生ごみの粉砕効率が低下し、最悪の場合は完全に機能しなくなることも。ディスポーザーの修理はメーカー対応が必要なケースが多く、簡単に部品を交換できないため、修理費用が割高になりやすいのが特徴です。

また、ディスポーザーの故障が直せない重大な損傷の場合は、本体の交換が必要になることもあります。機種や性能によって異なりますが、既存ディスポーザーの撤去費・新しい本体代金・交換工事費・出張費を合わせると相当な費用がかかる場合もあります。

定期的なメンテナンスと正しい使用方法を守ることで、こうした高額修理を避けることが重要です。

一戸建てにディスポーザーを設置する際の手順と維持費について

一戸建てが並んでいる写真

戸建て住宅にディスポーザーを設置する際は、単に工事を依頼すれば良いというわけではありません。自治体への確認や申請、専門業者による現地調査など、いくつかの重要なステップがあります。また、導入後の維持費についても事前に把握しておくことが大切。

ここでは、戸建て住宅にディスポーザーを設置するまでの具体的な流れと、設置後にかかる費用について詳しく解説します。

ディスポーザーの設置手順

戸建て住宅にディスポーザーを設置するには、いくつかの手順を踏む必要があります。まず行うべきは、お住まいの自治体にディスポーザー設置の可否を確認すること。自治体によってはディスポーザーの設置を許可していない場合もあるため、必ず事前確認が必要です。

許可を得られたら、次に専門業者による現地調査(現調)を依頼します。この調査では、キッチンの排水口の形状やサイズ、シンク下のスペースなど、設置条件の確認とプランニングが行われます。キッチンがディスポーザー設置の条件(ステンレス製シンク、規定サイズの排水口など)を満たしているかチェックされます。

その後、維持管理点検契約を締結し、排水設備指定工事店から下水道局へ「排水設備計画確認申請」を行います。この申請が受理されてから初めて工事が実施できるため、依頼から工事完了までは1~2ヶ月程度が目安となります。

工事自体は2~3時間程度で完了することが多いですが、手続きを含めた全体のスケジュールには余裕を持っておくことをおすすめします。

ディスポーザーの設置費用について

戸建て住宅にディスポーザーを設置するにあたっての費用は、大きく初期費用と維持費に分けられます。初期費用としては、ディスポーザー本体が30万円前後、工事費が3万円~と、合計で35万円~40万円程度が一般的な相場です。リフォームで後付けする場合は、現地調査費用として別途1万円~必要になります。

設置後の維持費としては、年に1回の維持管理点検費用が約1万円程度かかります。これは自治体への報告義務があるため、必ず実施する必要があります。さらに、ディスポーザーの耐用年数は約10年とされているため、将来的には交換費用も考慮しておく必要があります。

また、ディスポーザーを稼働させるための電気代や、粉砕した生ごみを流すための水道代も日常的にかかります。自治体によってはディスポーザー設置に対する補助金制度を設けている場合もあるため、事前に確認しておくと初期費用の負担軽減につながるでしょう。

維持費も含めたトータルコストを把握した上で導入を検討することをおすすめします。

一戸建てにディスポーザーを設置する際のポイント

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ディスポーザーを一戸建てに設置する際には、後付けや排水管工事、補助金の申請など、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。特に後付けの場合はシンク下のスペース確保や排水設備の申請が必要になるため、事前に確認しておくことが大切です。 また、自治体によっては補助金制度が利用できる場合があり、設置費用を抑えることも可能です。さらに、定期点検を実施することで、長期間にわたって安全に使用できるようになります。ここでは、ディスポーザー設置に関する重要なポイントについて詳しく解説します。

後付けの場合、キッチンシンク下のスペースを確保する

ディスポーザーを後付けする際には、キッチンシンク下に十分なスペースがあるかを事前に確認することが重要です。ディスポーザー本体は比較的大きく、適切な配管接続を行うためには一定の設置スペースが必要になります。

また、シンクの形状や排水口のサイズによっては、設置が難しい場合も。標準的な排水口の直径は18cmですが、異なるサイズや形状の排水口では追加工事が必要になることもあります。

さらに、シンク下には収納スペースがあるため、ディスポーザーを設置すると収納できるスペースが減少します。設置を検討する際は、調理器具や洗剤などの収納場所をどう確保するかも考えておくとよいでしょう。

排水管工事前に排水設備計画確認申請を行う

ディスポーザーの設置には、自治体の許可が必要になるケースがあります。特に、排水管工事を行う前に「排水設備計画確認申請」が必要な場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。

この申請は、自治体が排水設備の適合性を確認し、下水道への影響を評価するための手続きです。申請が必要な場合、専門の工事業者が代行するのが一般的ですが、手続きのスケジュールに余裕をもって進めることが求められます。

また、自治体によっては特定の排水処理システムが義務付けられていることもあり、適合しないディスポーザーを設置すると違反となる可能性があります。工事を進める前に、自治体の下水道局や施工業者と相談し、適切な手続きを行いましょう。

自治体に補助金の有無を確認する

ディスポーザーの設置には本体費用や工事費がかかるため、自治体の補助金制度を活用することで費用を抑えられる可能性があります。

例えば、東京都品川区では、本体購入価格の3分の1(上限2万円)の補助金を支給しており、富山市でも「ディスポーザー排水処理システム整備支援事業」により補助金が出ることが確認されています。

ただし、補助金制度は自治体ごとに異なり、年度ごとに予算の上限が設定されている場合もあります。そのため、ディスポーザーの設置を検討している場合は、早めに自治体の公式ホームページを確認し、申請のタイミングを逃さないようにしましょう。 また、補助金の申請には事前の申請が必要な場合が多いため、工事を始める前に手続きを完了させておくことが重要です。

定期点検の重要性

ディスポーザーを長期間にわたって安全に使用するためには、定期点検が欠かせません。特に、機械の摩耗や異物の詰まりを防ぐためには、1年に1回程度の点検を実施することが推奨されています。

定期点検では、ディスポーザー本体の動作確認、回転刃の摩耗状態、排水管の詰まり具合などをチェックし、必要に応じて部品交換やクリーニングを行います。これにより、突発的な故障を防ぎ、長く快適に使用することができます。

また、自治体によってはディスポーザーの維持管理に関するルールが定められており、適切なメンテナンスが求められることもあるため、使用前に確認しておくことが重要です。費用は業者によって異なりますが、1回の点検で1万〜2万円程度が相場とされています。

日常的な清掃も併せて行うことで、ディスポーザーの寿命を延ばし、快適なキッチン環境を維持できるでしょう。

まとめ

戸建て住宅へのディスポーザー設置は、日々の家事負担を大幅に軽減し、清潔なキッチン環境を実現する有効な選択肢です。生ごみの量が減り、三角コーナーが不要になるだけでなく、環境保全にも貢献できるメリットがあります。

一方で、設置費用や維持費のコスト面、処理できない生ごみの制約についても理解しておく必要があります。自治体の規制確認や補助金の有無、定期的なメンテナンスの実施など、いくつかの重要ポイントを押さえることで、快適なキッチンライフを長く楽しむことができます。事前の情報収集と計画的な準備を行い、自分のライフスタイルに合ったディスポーザーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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