PIST6は失敗・廃止?車券売れない理由、競輪との違い、売上を解説!

PIST6は失敗・廃止?車券売れない理由、競輪との違い、売上を解説!

PIST6の売上低迷や「失敗」という声を耳にして、実際のところはどうなのか気になっていませんか?この記事では、PIST6が目標を大幅に下回る売上となっている現状や、ネット投票限定による参加障壁、入場料の高さなど車券が売れない理由を詳しく解説します。さらに、競輪との違いやPIST6ならではの魅力についても紹介し、今後の可能性についても考察していきます。PIST6に興味がある方や、新しい賭け事を始めたい初心者の方にとって、判断材料となる情報が満載です。

目次

PIST6の売上低迷の現状と課題

PIST6の売上低迷の現状と課題

 PIST6は2021年10月に華々しくスタートしたものの、現在は深刻な売上低迷に直面しています。新しい公営ギャンブルとして注目を集めたPIST6ですが、なぜこのような状況に陥ってしまったのでしょうか。ここでは、売上の実態と課題について詳しく見ていきましょう。

目標を大幅に下回る売上実績

PIST6の売上実績は、当初の目標を大きく下回る結果となっています。2021年度(約半年間)の売上は14億8000万円でした。当初の目標は55億円だったため、実績は目標の約27%にとどまっています。

さらに2022年度は目標売上を約120億円と設定していましたが、実際の売上は16億5000万円という結果でした。これは目標のわずか13.8%という衝撃的な数字です。開催初日は約3億5000万円という好調な滑り出しを見せたものの、その後は急速に売上が低迷してしまいました。

このような状況から、「失敗」や「赤字」という声が上がるのも無理はありません。実際に1レースあたりの売上を見ると、予選で40万円程度、決勝戦でも100万円に届かないケースがほとんどです。これは競輪の売上と比較すると、あまりにも少ない金額といえるでしょう。

オッズの信頼性に影響する売上規模

売上が少ないことは、単に収益が上がらないだけでなく、ギャンブルとしての根幹に関わる問題を引き起こしています。それがオッズの信頼性の問題です。

公営ギャンブルのオッズは、投票額の分母によって決まります。売上が多ければ多いほど、個人の投票がオッズに与える影響は小さくなり、安定したオッズが形成されます。しかし、PIST6のように売上が少ない場合、ちょっとした厚張りでオッズが大きく変動してしまうのです。

ネット投票限定による参加障壁

PIST6の大きな特徴の一つが、車券購入がネット投票限定という点です。開催場であるTIPSTAR DOME CHIBAに足を運んでも、現地で紙の車券を購入することはできません。これは従来の公営ギャンブルとは大きく異なる仕組みです。

しかも、車券を購入できるのは2023年8月時点ではTIPSTARアプリのみとなっています。他の競輪投票サイトやアプリからは購入できないため、新たにTIPSTARへの登録が必要です。さらに、本人確認手続きも必要となるため、気軽に始めることができません。

この仕組みは、特に中高年層にとって大きな参加障壁となっています。競輪の主要な顧客層である高齢者の多くは、現金での購入を好む傾向があります。完全キャッシュレス化は、こうした優良顧客を遠ざける結果となってしまいました。

入場料の高さがもたらす影響

一般的な競輪場の入場料が無料または数百円程度なのに対し、TIPSTAR DOME CHIBAの入場料は2,000円と非常に高額です。

プレミアムシートになると5,000円、BOXシートは8,000円~12,000円という価格設定になっています。これは競輪場というよりも、エンターテインメント施設の料金体系に近いものです。

確かに、最新設備や派手な演出など、従来の競輪場にはない魅力があります。しかし、ギャンブルを楽しみたい人にとって、入場料だけで2,000円かかるのは大きな負担です。特に、少額で楽しみたい人や頻繁に通いたい人にとっては、この入場料がネックとなって足が遠のいてしまうでしょう。

若年層ターゲットと実際の顧客層のギャップ

PIST6は若年層をメインターゲットとして企画されました。ネット投票限定、キャッシュレス決済、派手な演出など、すべてが若い世代を意識した設計となっています。

しかし、公営ギャンブルの主要顧客層は依然として中高年層です。お金に余裕があり、ギャンブルに慣れ親しんでいる層を無視して、若年層だけをターゲットにするのは現実的ではありませんでした。

PIST6とは?新しい自転車競技の基本情報

PIST6とは?新しい自転車競技の基本情報

売上低迷が話題となっているPIST6ですが、そもそもどのような競技なのでしょうか。ここでは、PIST6の基本的な仕組みや特徴について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

PIST6の概要と開催形式

PIST6(ピストシックス)は、2021年10月2日に始まった新しい公営ギャンブルです。正式には「250競走」という種目で開催される自転車競技で、千葉市が主催し、民間の株式会社JPFに運営を委託する形で実施されています。

開催は主に週末(金・土・日)のうち2日間で、1日あたり12レース(デイ6レース、ナイト6レース)が行われます。年間では約50節、100日の開催で、合計約1,200レースが実施される計算です。

最大の特徴は、国際基準のKEIRIN(ケイリン)のルールを採用している点です。オリンピック種目にもなっているKEIRINは、日本の競輪とは異なるルールで行われる競技で、世界中のトップ選手が参加することが期待されていました。

国際規格250mバンクでの6車立てレース

PIST6のレースは、1周250メートルの屋内木製バンクで行われます。これは通常の競輪場(333~500m)と比べてかなり短く、その分スピード感のあるレースが展開されます。

1レースの出走人数は6名で、通常の競輪(7~9名)よりも少人数です。レースは6周(1,500m)で争われ、最高速度は時速70kmを超えることもあります。短い距離を高速で駆け抜けるため、一瞬の判断が勝敗を分ける緊張感のあるレースとなります。

バンクの傾斜(カント)は最大42.6度と、通常の競輪場(約30度)よりもきつくなっています。この急傾斜により、選手たちはより高速でコーナーを駆け抜けることができ、迫力あるレースが実現されています。

千葉JPFドーム(TIPSTAR DOME CHIBA)の特徴

PIST6が開催される千葉JPFドーム(愛称:TIPSTAR DOME CHIBA)は、国内では珍しい全天候型の屋内自転車競技場です。千葉競輪場の跡地に建設され、2021年10月に完成しました。

この施設の最大の特徴は、天候に左右されない屋内開催という点です。雨や風の影響を受けないため、予定通りレースが実施され、安定した競技環境が保たれます。また、最新の音響・照明・映像設備により、まるでライブイベントのような演出が可能となっています。

観客席は約2,000席で、バンクと座席の間に柵がないため、選手との距離が近く、迫力あるレースを体感できます。さらに、フードエリアやBAR、グッズショップなども併設され、レース観戦以外の楽しみも充実しています。

完全個人戦でラインがない競技ルール

PIST6と通常の競輪の最大の違いは、「ライン」がないことです。競輪では選手同士が協力してラインを組み、チーム戦術を駆使してレースを展開しますが、PIST6は完全な個人戦です。

これにより、純粋に選手個人の実力とスピードで勝負が決まります。複雑な駆け引きや番手争いがない分、初心者にもわかりやすく、シンプルに速い選手を応援できるという魅力があります。

スプリング・サマー・オータム・ウィンターの4シーズン制

PIST6は年間を4つのシーズンに分けて開催されます。スプリング(4月上旬~)、サマー(6月中旬~)、オータム(9月上旬~)、ウィンター(11月中旬~)の各シーズンで、それぞれ上位6名がシーズンファイナリストとなります。

各シーズンで選ばれなかった選手は、3月上旬に開催される「ワイルドカード」に出場し、そこから12名が選出されます。最終的に、各シーズンの上位6名×4シーズン=24名と、ワイルドカードの12名を合わせた36名で、3月下旬に年間チャンピオンを決定します。

PIST6と競輪の違いを徹底解説

PIST6と競輪の違いを徹底解説

 PIST6は競輪の一種ですが、従来の競輪とは多くの点で異なります。

出走人数とバンクの規格の違い

最も分かりやすい違いは、出走人数とバンクの規格です。通常の競輪は最大9車(通常は7~9車)で行われますが、PIST6は必ず6車で実施されます。

バンクの長さも大きく異なり、競輪が333~500mなのに対し、PIST6は250mと短くなっています。さらに、競輪場は屋外のコンクリート製バンクですが、PIST6は屋内の木製バンクという違いもあります。

これらの違いにより、PIST6はより短距離でスピーディーなレース展開となります。1レースの時間も短く、テンポよく進行するため、観戦する側も飽きることなく楽しめる構成となっています。

ラインの有無による戦略の違い

競輪とPIST6の最も本質的な違いは、ラインの有無にあります。競輪では選手同士がラインを組み、先頭の選手が風よけとなって後続の選手をアシストする戦術が基本です。このライン戦術により、複雑な駆け引きや戦略的な展開が生まれます。

一方、PIST6にはラインという概念が存在しません。すべての選手が個人で戦うため、純粋なスピード勝負となります。これにより、予想がシンプルになり、初心者でも楽しみやすいという利点があります。

タイムトライアルによる車番決定システム

PIST6独自のシステムとして、レース前日の200mタイムトライアルがあります。このタイムトライアルの結果により、翌日のレースの車番(枠順)が自動的に決定されます。

タイムが速い順に1番から6番までの車番が割り当てられ、内側の有利なコースを走ることができます。これにより、その日の選手の調子が明確にわかり、予想の重要な判断材料となります。

賞金体系と出走手当の違い

賞金体系にも大きな違いがあります。競輪では最下位の選手にも賞金が支払われますが、PIST6では決勝を除いて3着までしか賞金が出ません。4~6着の選手には、賞金の代わりに「出走手当」が支払われます。

PIST6の最高優勝賞金は約134万円で、競輪のG1レース(1,000万円超)と比べると低く設定されています。しかし、PIST6では選手が1日2レース出走できるため、単純計算で競輪の倍の収入機会があります。

また、出走手当は着順に応じて22,000円~67,000円が支払われます。これにより、下位でも一定の収入が保証される仕組みとなっています。

S級・A級混合レースの実施

競輪では基本的に同じ級班の選手同士でレースが行われますが、PIST6ではS級とA級の選手が混合でレースを行うことがあります。これは「250競走」の出場資格を持つ選手が限られているためです。

A級選手にとっては、S級選手と同じレースで戦えることで、より高い賞金を獲得するチャンスがあります。S級A級混合戦の優勝賞金は123万2000円で、通常のA級レース(約40万円)よりもはるかに高額です。

違反行為に対する罰金制度

PIST6では、違反行為に対して独自の罰金制度を設けています。失格の場合は30,000円、重大走行注意は10,000円、走行注意は5,000円の罰金が科せられます。

競輪では減点や出走停止といったペナルティが中心ですが、PIST6は金銭的な制裁を採用しています。これは、国際ルールに準拠した運営を目指しているためで、海外選手も参加することを想定した制度設計となっています。

PIST6の将来性と魅力

PIST6の将来性と魅力

売上低迷という厳しい現実がある一方で、PIST6には独自の魅力や可能性も秘められています。

スピード感あふれるレースの観戦価値

PIST6最大の魅力は、なんといってもそのスピード感です。250mという短いバンクを、最高時速70km超で駆け抜ける選手たちの姿は圧巻です。しかも、バンクと観客席の間に柵がないため、そのスピードを間近で体感できます。

屋内開催ならではの演出も見どころの一つです。レーザー照明や大音響の音楽、大型ビジョンでの映像演出など、まるでスポーツエンターテインメントショーのような雰囲気が楽しめます。これは従来の競輪場では味わえない、PIST6独自の魅力といえるでしょう。

初心者でも予想しやすい競技特性

PIST6は、ギャンブル初心者にとって非常に親しみやすい競技です。その理由は、ラインがなく個人戦であること、そして1番車の勝率が高いことにあります。

通常の競輪では、ライン構成や選手の思惑を読む必要があり、初心者には難しく感じられます。しかし、PIST6は単純に「速い選手が勝つ」というシンプルな構造のため、タイムトライアルの結果を見れば、ある程度の予想が可能です。

演出やイベントによる新しい観戦体験

PIST6は、単なるギャンブルではなく、エンターテインメントとしての側面を重視しています。選手入場時の派手な演出、レース中の実況、勝利者インタビューなど、観客を楽しませる工夫が随所に施されています。

また、有名人とのコラボイベントも積極的に行われています。YouTuberのヒカル氏やお笑い芸人のアイデンティティ、AKB48メンバーなど、様々なゲストが登場し、会場を盛り上げています。

さらに、公式ダンサーチーム「pist6DANCERS」によるパフォーマンスも見どころの一つです。世界レベルの実力を持つダンサーたちが、レース前後に華やかなショーを繰り広げます。これらの演出により、レース観戦だけでなく、総合的なエンターテインメント体験が提供されています。

1番車の高い勝率による的中しやすさ

PIST6の大きな特徴として、1番車の圧倒的な強さがあります。タイムトライアルで最速タイムを記録した選手が1番車となるため、必然的に最も実力のある選手が内側の有利なコースを走ることになります。

3連単の平均配当は約7,540円、配当中央値は1,570円と、競輪や競艇と比べて低めです。これは1番車に人気が集中するためですが、逆に言えば的中しやすいということでもあります。

ただし、万車券率(1万円以上の配当)は12.84%あり、時には大穴も出現します。堅実に的中を狙うか、高配当を狙うか、自分のスタイルに合わせて楽しめるのもPIST6の魅力といえるでしょう。

まとめ

PIST6は、2021年10月にスタートした新しい公営ギャンブルですが、現在は深刻な売上低迷に直面しています。2022年度の売上は目標の約14%にとどまり、「失敗」という声も上がっています。

売上が伸びない理由として、ネット投票限定による参加障壁、入場料の高さ、若年層に偏ったターゲット設定などが挙げられます。特に、売上の少なさがオッズの信頼性に影響し、ギャンブルとしての魅力を損なっている点は深刻です。

PIST6が今後成功するためには、入場料の見直しや投票チャネルの拡大、幅広い年齢層へのアプローチなど、抜本的な改革が必要でしょう。しかし、スピード感とエンターテインメント性を兼ね備えた新しい競技として、一度は体験してみる価値はあるといえます。

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