競輪で生活することは可能なのでしょうか。競輪を投資手段にして生活するというのは競輪ファンが誰もが抱く「夢」のひとつなのです。競輪をする上で必要となってくるのが専門的な知識と分析力を駆使し、レースの結果を予測すること。この記事では、競輪で生活する人の実態や必要な戦略、現実的なアプローチ方法について解説します。競輪を副収入源として活用したい方や、投資的視点で競輪に取り組みたい方にとって有益な情報をお届けします。
競輪で生活してる人は実在するのか?

競輪で生活することは夢物語ではありません。実際に競輪の収益だけで生計を立てている人は存在します。しかし、その数は限られており、成功するためには相当な努力と知識が必要となります。
公営競技としての競輪の収益性とは
競輪の払い戻し率は75%となっており、残りの25%は運営側の取り分となります。この数値は他の公営競技と比較しても標準的な水準といえるでしょう。競輪は他のギャンブルと比べても還元率が低めであり、パチンコの還元率が約85%であることを考えると、効率的に稼ぐことは容易ではありません。
しかし、競輪には他の公営競技にはない特徴があります。競輪は自転車を利用し順位を競い合う競技ですので、雨や風といった天候に左右されやすい傾向にあるという側面を持ちながらも、選手の実力やコンディション、バンクの特性など、分析可能な要素が多数存在します。これらの要素を正確に読み解くことで、長期的な収益を狙うことが可能になるのです。
競輪を収入源にする人の存在とその背景
競輪で生活してる人の中で月の平均生活費以上稼げているのは、少なくとも1/50人という計算になります。この数字は決して高くありませんが、実際に競輪で生活している人が存在することを示しています。「競輪だけで生活している人」の割合が4%という結果も出ており、少数ながら確実に存在することがわかります。
競輪で生活している人の多くは、競輪をギャンブルではなく投資として扱っている「競輪投資家」と呼ばれる人々です。彼らは感情に左右されることなく、データと分析に基づいた冷静な判断で車券を購入します。競輪投資家とは、競輪というギャンブルだけで稼ぎ生活している人であり、予想の販売などは行わず、自身の競輪予想だけを主な収入源としています。
生活できるレベルの収益を出すために必要な要素
競輪で生活できるレベルの収益を出すためには、いくつかの重要な要素が必要です。一人暮らしをする上で、1ヶ月に必要な生活費は約10万円となっています。ここに家賃が重なってくるので、全体で考えると15~20万円ほど必要という計算になります。生活するためには、最低でも25万円以上は必要という見解もあり、安定した生活を送るには相応の収益が必要となります。
必要な要素として、まず挙げられるのが十分な軍資金です。競輪投資をする際に使うお金は必ず「失っても全く生活に支障をきたさないお金」を使うようにしてください。生活費に手を出すことは絶対に避けるべきであり、競輪投資家になるためには十分な軍資金があることが最低条件となります。
一般的なギャンブルとの違いから見る競輪の特性
競輪は他のギャンブルと比較して、いくつかの独自の特性を持っています。競輪には出身別として「ライン」という特殊な概念があり、ほかの公営競技にはない魅力があります。このライン戦は、個人競技でありながらチーム戦の要素を併せ持つという、競輪独特のシステムです。
また、競輪は他の公営競技と比べても情報量が豊富で、予想に使えるデータが整っています。選手の実績、レース展開、競輪場ごとの傾向など、分析可能な要素が多岐にわたります。競輪もデータでは全く同じ勝率だけど、配当が5倍のレースと10倍のレースがあったら、10倍の配当のレースを見つけて狙った方が回収率は上がっていきお得に買えているという観点から、オッズの歪みを見つけることも可能です。
競輪を投資対象とする考え方とは?

競輪を単なるギャンブルではなく、投資対象として捉える考え方が注目されています。この視点の転換により、より戦略的で計画的なアプローチが可能になります。
投資的視点で競輪を見ることの意義
ギャンブルの本質を理解した者だけがギャンブルで稼ぐことができるのです。投資的視点で競輪を見るということは、感情的な賭けから脱却し、数値とデータに基づいた合理的な判断を行うことを意味します。競輪投資家は「競輪で投資のように軍資金を増やす」というのが実態であり、長期的な視野で安定した収益を目指すアプローチが基本となります。
投資として競輪を捉える最大の意義は、リスク管理の概念を導入できることにあります。短い時間で沢山の利益を得ることができるような投資は必ず多大なリスクを伴います。この認識のもと、適切な資金管理と期待値の計算を行うことで、ギャンブル的な要素を最小限に抑えることが可能になります。
ブックメーカーとの比較で考えるリスクとリターン
競輪投資を考える上で、他の投資手段との比較は重要です。特にブックメーカーとの比較は、競輪の特性を理解する上で有益な視点を提供します。ブックメーカーは主にスポーツベッティングを扱い、世界中の様々なスポーツに賭けることができます。一方、競輪は日本独自の公営競技であり、その特性は大きく異なります。
リスクの観点から見ると、競輪は屋外でおこなわれるスポーツなので天候によってレース結果が大きく変わります。また、人間同士の争いなので、各選手のその時の調子によってもレース結果が変わってくるという不確定要素があります。これに対してブックメーカーでは、チームスポーツなど複数の選手が関わることで、個人の調子による影響が分散される傾向があります。
リターンの面では、競輪はオッズの歪みを正しく理解すれば、理解していない人よりも的中した場合の払戻金を多めに受け取ることができるという特徴があります。これは競輪特有の投票システムと、比較的限られた参加者によって形成される市場の特性によるものです。ブックメーカーと比較して、情報の非対称性を活用できる余地が大きいといえるでしょう。
再現性のある戦略構築の必要性
競輪投資で成功するためには、再現性のある戦略を構築することが不可欠です。競輪で勝ち続けるためには予想難易度が低いレースに賭け、予想難易度が高いレースはスルーするのがもっともベストな選択。この基本方針を軸に、自分なりの勝ちパターンを確立することが重要となります。
再現性のある戦略とは、特定の条件が揃った場合に高い確率で利益を出せる手法のこと。当てやすいレースは、その特徴上、人気決着となることが多いです。たとえば、ガールズケイリンは7車立て・ラインが禁止という特徴があり、予想の精度を高めやすいレースといえます。
「感覚」ではなく「分析」による判断の重要性
情報不足を解決してもこの点をクリアしないと競艇では勝てないという指摘があるように、単に情報を集めるだけでなく、それを適切に分析する能力が求められます。感覚的な予想は、短期的には当たることもありますが、長期的な安定収益にはつながりません。
分析による判断の基本は、データの収集と整理から始まります。競走得点は「選手の実力」を評価した数値であるため、この数値を基準に選手の実力を把握することができます。さらに、選手の脚質はレースの勝敗を予想する上で大切です。各選手の特性を数値化し、レース展開を論理的に予測することが重要となります。
競輪で継続的に収益を上げるための戦略

競輪で継続的に収益を上げるためには、一時的な勝利に満足するのではなく、長期的に安定した利益を生み出す戦略が必要です。
自分の得意パターンを分析する方法
競輪で安定した収益を上げるためには、まず自分の得意なレースパターンを見つけることが重要です。予想を当てることは大前提ですが、買い目点数を調整して、回収率を上げることも心がけましょう。これを実現するには、過去の自分の予想履歴を詳細に分析する必要があります。
分析の第一歩として、的中したレースの共通点を探ることから始めましょう。レース開催場所、出走メンバーの特徴、ラインの構成、天候条件など、様々な要素を記録し、パターンを見出します。予想する側としてはラインとそのラインに属する選手の競走得点を確認しておくことでレース展開を大方把握することが可能となるため、特にライン構成に注目した分析が有効です。
高配当狙いと安定型投資のバランス戦略
高配当ばかりを狙ってはいけません。その理由は、高配当は的中確率の面からみても当たりにくい傾向にあるからです。しかし、安定型の投資だけでは大きな利益を得ることは難しく、両者のバランスを取ることが重要となります。
バランス戦略の基本は、資金を適切に配分することです。たとえば、投資資金の70%を安定型の堅い予想に、残り30%を高配当狙いに配分するといった具合。「ワイド」など比較的当たりやすい買い方なども考慮しつつ買い目に含めるなどして、本命の買い目が外れた際に軍資金を減らさないように対策することも、バランス戦略の一環といえます。
負けのコントロールと損失限定の考え方
競輪は、そもそも当てること自体が難しい公営ギャンブルの内の1つであることを前提に、負けをいかにコントロールするかが重要です。損失を限定する考え方は、競輪投資において最も重要な要素の一つといえるでしょう。
損失限定の基本は、事前に損切りラインを設定することです。損失が一定額に達した場合は、その時点で賭けをやめる「損切り」のルールを設けることも重要。たとえば、1日の損失限度額を決め、それを超えた場合は必ず撤退するといったルールです。感情的になりやすい状況でも、このルールを守ることで大きな損失を防ぐことができます。
情報収集とデータベースの運用法
競輪で生計を立てれるほど勝つためには、わずかな情報でも収集することを徹底しましょう。効率的な情報収集とその管理は、競輪投資の成否を左右する重要な要素です。
情報収集の基本は、公式データの活用から始まります。競輪場・選手の特徴をはじめ、その時々で変化する天気や選手の調子なども細かく調べることが必要です。これらの情報を体系的に整理し、データベース化することで、予想の精度を大幅に向上させることができます。
長期で利益を積み上げるスタイルの確立
競輪投資で真の成功を収めるためには、短期的な利益に惑わされることなく、長期的な視点で利益を積み上げるスタイルを確立することが不可欠です。競輪で投資生活をするのであれば「短い時間で沢山の利益を得よう」と考えるのではなく、「時間がかかっても着実に利益を増やす」という考えを常に持つようにしましょう。
長期的なスタイルの基本は、安定した回収率の維持。安定した収益を求めるのであれば、回収率を意識して長期的にプラスを目指すべきです。たとえ的中率が高くても、回収率が100%を下回っていては意味がありません。逆に、的中率が低くても回収率が高ければ、長期的には利益を生み出すことができます。
競輪生活を目指す上での注意点

競輪で生活することを目指す場合、多くの落とし穴が存在します。成功への道のりは決して平坦ではなく、様々なリスクと向き合う必要があります。
資金管理と生活費の明確な線引き
競輪投資をする上で絶対にやっては行けないのが「生活費に手を出すこと」で、これを一度やってしまうとクセになりどん底まで行ってしまうと破産申請をしなければならないという事態に陥ってしまいます。この警告は、競輪生活を目指すすべての人が肝に銘じるべき最重要事項です。
資金管理の基本は、競輪用の資金と生活費を完全に分離することから始まります。銀行口座を別々にし、物理的にも心理的にも明確な境界線を設けることが重要です。競輪投資家になるためには十分な軍資金があることが最低条件であり、その軍資金は生活に影響を与えない余剰資金である必要があります。
精神的・肉体的な自己管理の必要性
競輪で生活している人の1日のスケジュールを見ると、合計で12時間以上も競輪のことを考えていることになります。この過酷な生活リズムは、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
精神的な管理において最も重要なのは、感情のコントロールです。感情を常にフラットに保つためには先ほど紹介した「失っても全く支障をきたさない十分な軍資金」が必要になります。資金的な余裕は精神的な余裕につながり、冷静な判断を可能にします。また、定期的な休息日を設けることも重要です。毎日競輪漬けでは判断力が鈍り、かえって成績が悪化する可能性があります。
肉体的な管理も同様です。長時間パソコンやスマートフォンに向かい続けることは、眼精疲労や肩こり、腰痛などの原因となります。定期的な運動や、適切な休憩時間の確保、バランスの取れた食事など、基本的な健康管理を怠らないことが、長期的な競輪生活を支える基盤となります。
投資と依存の境界を明確にする視点
競輪に限らず、ギャンブルというものは依存症になりやすいので、自分の資金や時間を管理することが重要です。投資として競輪に取り組むつもりが、いつの間にかギャンブル依存症に陥ってしまうケースは少なくありません。
投資と依存の境界を見極めるポイントはいくつかあります。まず、計画的な投資を行っているかどうかです。投資であれば、事前に立てた計画に基づいて行動しますが、依存の場合は衝動的な行動が目立ちます。「あらかじめ予定に入れていないレースの車券を買って負けを取り返す」というのは競輪の投資生活をする上で最もやってはいけない行為です。
勝てない時期の対応とリカバリープラン
一時的に稼げたとしても安定させるのは困難。100万円の利益があったとしても、負け続ければすぐ無くなります。競輪投資において、勝てない時期は必ず訪れます。重要なのは、その時期をいかに乗り越えるかです。
勝てない時期の対応として、まず行うべきは原因分析。自分の予想方法に問題があるのか、それとも一時的な不調なのかを冷静に判断する必要があります。予想がまったくつかないレースに大金を賭けるのは危険なのはいうまでもないため、無理に勝負せず、様子を見ることも重要な選択肢です。
法的・社会的な理解との付き合い方
競輪で生活することを選択した場合、法的・社会的な側面にも注意を払う必要があります。競輪は、競馬などの公営競技と同様に払戻金が50万円を超えた場合、税金がかかる決まりとなっています。この税金の問題は、競輪生活を送る上で避けて通れない重要事項です。
税金に関しては、経費の計上ができるのは的中した車券代のみですという制限があります。競輪で経費計上できるのは”的中した車券代”のみ。交通費や会食でかかったお金は軽費計上することができずただの浪費扱いとなるため、一般的な事業と比べて税負担が重くなる傾向があります。確定申告を怠ると脱税となるため、収支の記録は必須です。
競輪を「生活の一部」として取り入れるには

競輪で完全に生活することが難しいとしても、生活の一部として上手に取り入れることで、安定した副収入を得ることは十分可能です。
副収入として活用する現実的なスタンス
副業というと、アルバイトや在宅ワーク、ネットビジネスなどが思い浮かびますが、「競輪」も立派な副収入の手段になり得るのです。競輪を副収入として活用する場合、本業に影響を与えない範囲で取り組むことが大前提となります。
副収入としての競輪の最大のメリットは、時間の融通が利くことです。スマホひとつで簡単に投票ができるので、場所や時間に縛られず、本業の合間やスキマ時間で楽しみながら副収入を目指せるという利点があります。昼休みや通勤時間を活用して予想を立て、効率的に取り組むことができます。
本業と両立できる投資スタイルの設計
本業との両立を前提とした投資スタイルを設計することは、持続可能な競輪投資の鍵となります。競輪は朝9時ごろからモーニングレースが開催されるため、早朝の時間を活用することも可能ですが、本業に支障をきたさない範囲での参加が重要です。
効率的な投資スタイルとして、週末や祝日の重賞レースに絞って参加する方法があります。重賞レースは情報も豊富で、じっくりと予想を立てることができます。また、ミッドナイト競輪を活用することで、仕事終わりの時間帯でも競輪投資が可能です。時間帯を工夫することで、本業への影響を最小限に抑えることができます。
短期収益よりも継続可能性を優先する視点
長期間で稼ぎ続けることができる力を持っている人のことを、競輪投資家と呼ぶという定義が示すように、継続可能性こそが成功の鍵となります。短期的な大勝ちを狙うのではなく、安定した小さな利益を積み重ねることを重視すべきです。
継続可能性を高めるためには、無理のない投資計画が不可欠。自分で基準を設定するのが、難しいという方は、目標と投資金の額を同じにしてください。このシンプルなルールに従うことで、リスクとリターンのバランスを保つことができます。また、連敗時の撤退ルールを明確にすることで、大きな損失を防ぐことができます。
投資スキルとして競輪をどう磨くか
競輪を単なるギャンブルではなく、投資スキルとして磨いていくことで、他の投資分野にも応用可能な能力を身につけることができます。株式や外貨投資で成功するためには情報を収集してリスクが迫っていないかを調べ、それを回避しつつ最も利益を出せる方法を考えて実行します。この考え方は、競輪投資にも直接応用できます。
競輪投資を通じて磨かれるスキルは多岐にわたります。データ分析能力、リスク管理能力、感情コントロール能力など、これらは他の投資分野でも重要な要素です。出走表から読み取れるデータとその信頼度について独自の見解を交えながら解説するような分析力は、株式投資における企業分析にも通じるものがあります。
まとめ
競輪で生活することは決して不可能ではありませんが、相当な努力と準備が必要です。実際に競輪で生活している人は僅かですが存在することは事実であり、適切なアプローチと継続的な学習により、競輪を収入源として活用することは可能となります。
成功のためには、投資的視点での取り組み、徹底した資金管理、冷静な判断力、そして何より継続する意志が必要です。完全に競輪だけで生活することが難しくても、副収入として、あるいは投資スキルを磨く手段として活用することで、人生に新たな可能性を開くことができるでしょう。