地球環境への配慮が叫ばれる今、「エコフレンドリー」という言葉をよく耳にしませんか?環境にやさしい選択は、じつは家計にもやさしいのです。毎日の生活で何気なく無駄にしているエネルギーや資源が、知らぬ間に出費を増やしているかもしれません。
本記事では、エコフレンドリーの意味から、日常生活で簡単に始められる環境配慮型の節約術までをご紹介します。マイバッグの持参や食品ロスの削減など、ちょっとした心がけで地球と家計の両方を守れることがわかるでしょう。環境に配慮しながら賢く節約する生活習慣を、今日から一緒に始めてみませんか?
エコフレンドリー とは

エコフレンドリーとは、「環境に優しい」という意味で使われる言葉です。「エコ(生態学)」と「フレンドリー(友好的な・やさしい)」を組み合わせた造語で、環境問題の解決につながる取り組みを表します。地球環境や生態系に配慮した生活や製品、サービスを指し、環境負荷を減らす工夫が特徴です。
個人の生活においても、エコフレンドリーな取り組みは様々な場面で実践可能です。たとえば、マイバッグの持参やリサイクル可能な商品の選択、食品ロス削減などが挙げられます。これらの活動は環境保護だけでなく、無駄な消費を抑えることで節約効果ももたらします。
エコフレンドリーに似た言葉に「サステナブル」がありますが、サステナブルが環境だけでなく社会や経済の持続可能性も含む広い概念であるのに対し、エコフレンドリーはより環境面に焦点を当てた言葉として使われています。
個人がエコフレンドリーに取り組むべき理由

エコフレンドリーな生活を実践することには、大きく分けて以下の2つのメリットがあります。
- 環境問題の解決に貢献できる
- 生活費の節約につながる
個人の小さな取り組みでも、多くの人が実践することで大きな変化を生み出すことができます。具体的にどのような効果があるのか、詳しく見ていきましょう。
環境問題への貢献
エコフレンドリーへの取り組みをおこなうと、エネルギーの無駄な消費が減り、環境問題の解決に貢献できます。たとえば、レジ袋のようなプラスチックごみを利用しない選択をするだけでも、海洋汚染の進行を遅らせることが可能です。
現在、国や自治体だけでなく、多くの企業も環境配慮への取り組みを実施しています。地球温暖化や異常気象、生態系のかく乱といった問題が加速する中で、個人レベルでできることに取り組むことが重要になっています。
一人ひとりがエコフレンドリーな活動を心掛ければ、早期の環境問題の解決が期待できるでしょう。日常生活の中で環境に配慮した選択をすることは、未来の地球環境を守ることにつながります。
節約効果がある
個人がエコフレンドリーな取り組みを実践していると、エネルギーの消費が少なくなり、節約につながるケースが多くあります。たとえば、電気や水などの使用量を減らすことにより、水道光熱費の削減が可能です。
また、無駄な食材の購入を防げば、食品ロスの削減にもつながり、環境に配慮しながら家計への負担を減らせます。買い物時にマイバッグを持参すれば、レジ袋代も節約できるでしょう。
ほかにも、エコドライブの推進をすれば、ガソリン代の節約にもつながります。10年以上前の家電を省エネタイプに買い替えれば、電気代の大幅な削減も期待できます。このようにエコフレンドリーな行動を意識するだけで、自身の生活も豊かになっていくでしょう。
買い物時におすすめのエコフレンドリーな取り組み

日常生活で当たり前におこなっている買い物も、少しの意識でエコフレンドリーな取り組みにつながります。以下のような簡単にできる方法があります。
- エコバッグの持参
- 環境に配慮した商品の選択
- 必要な分だけを購入する
- 賞味期限が近い食材を購入する
これらはどれも簡単に実践できるものばかりです。一つひとつの行動は小さくても、継続することで大きな環境への貢献と節約効果が期待できます。
エコバッグの持参
レジ袋の原料であるプラスチックは、限りある資源なことに加えて、海洋汚染の原因を作っています。環境への負荷を減らすために、マイバッグの持参は効果的な取り組みです。
一人ひとりがマイバックを持参すれば、レジ袋使用量の削減が可能です。また、レジ袋代もかからなくなるため、買い物のたびに節約を積み重ねていけるでしょう。近年では有料化が進み、レジ袋を使わない意識が広がっています。
エコバッグは様々なデザインやサイズのものが販売されているので、自分の好みや用途に合わせて選ぶことができます。コンパクトに折りたためるタイプであれば、バッグやポケットに入れて持ち歩くことも簡単。買い物の際に常に持参する習慣をつけることで、環境にも家計にもやさしい生活を実践できます。
環境に配慮した商品の選択
環境認証マークとは、エコフレンドリーな商品やサービスに対して与えられる印のことを指します。どのような環境の配慮をしているかで、マークが異なるのが特徴です。
たとえば、遺伝子組み換えをおこなわずに生産された食品には「有機JAS認証」が付いています。ほか、環境に配慮をした形で獲られた水産物に与えられるマークは「海のエコラベル」です。森の動植物や地域の人に配慮し管理された木材には「FSC認証」があります。
これらの代表的な環境認証マークについて知っておくことで、商品選びの1つの基準にすることができます。認証マークのついた商品を選ぶことで、生産から消費、廃棄までの過程で環境負荷を減らすことができ、持続可能な社会づくりに貢献できます。また、オーガニック製品など環境に配慮した商品は健康面でもメリットがある場合があります。
必要な分だけを購入することの重要性
食材をまとめ買いすると、賞味期限までに使いきれず無駄になるケースがあります。また、1回の料理で必要以上に使ってしまうことも考えられるでしょう。近年は「バルク販売」とも呼ばれている量り売り店舗も増えています。
必要な分だけの購入を心掛ければ、食品ロスの削減に貢献でき、節約にもつながります。特に生鮮食品は傷みやすいので、使う分だけを買うことが重要です。また、調味料や乾物なども、大量に買って使い切れず品質が落ちてしまっては意味がありません。
量り売りの店舗を利用すれば、自分に必要な量だけを購入でき、包装も最小限に抑えられます。使う分だけ購入する習慣をつけることで、冷蔵庫や食品庫の整理も簡単になり、何を持っているかが把握しやすくなるため、重複購入も防げます。必要な分だけを買う意識は、環境にも家計にもやさしい買い物の基本です。
賞味期限が近い食材の購入
消費期限の近い食材を購入すれば、目の前の食品ロス削減への貢献が可能です。最近では、棚の手前にある商品を積極的に選ぶ「手前どり」を呼びかける小売店が増えています。
また、廃棄される予定の商品を安く販売する専門店も人気です。これらの商品は通常より割引価格で販売されることが多く、家計の節約にもつながります。その日のうちに食べる予定であれば、廃棄予定食材の積極的な購入をおすすめします。
多くのスーパーマーケットでは、消費期限や賞味期限が近づいた商品に値引きシールを貼って販売しています。これらを上手に活用すれば、食品廃棄の削減に貢献しながら、食費を抑えることができます。ただし、購入した食材はきちんと期限内に使い切ることが大切です。賢く買い物をして、エコフレンドリーな消費者になりましょう。
外食時にできる環境に配慮した取り組み

外食の機会が多い方でも、エコフレンドリーな意識を持つことで環境への負荷を減らすことができます。外での食事は、食材の無駄や使い捨て資材の使用など、見えないところで環境負荷を生んでいる場合があります。しかし、少しの工夫と店舗選びによって、私たちも環境に優しい選択が可能です。ここでは以下のような取り組みをご紹介します。
- 食べ残しを減らす
- 食品ロス削減に取り組む店舗の選択
- 環境負荷の低い店舗の選択
外食を楽しみながら、地球にもやさしい行動を取り入れていきましょう。
食べ残しを減らす
食べ残しをしない意識を持つだけで、食品ロスの削減につながります。たとえば、注文するメニューのボリュームを店舗に確認し、必要に応じて量を減らしてもらうような取り組みが大切です。
また、自分の食べられる量を把握し、適切な量の料理を注文することも重要です。最近では、多くの飲食店が小盛りメニューや、ハーフサイズの料理を提供するようになっています。自分の食欲や体調に合わせて選択するようにしましょう。
どうしても食べ切れない場合でも、残った分を積極的にテイクアウトすれば無駄になりません。多くの店舗では、持ち帰り用の容器を用意しています。恥ずかしがらずに持ち帰りを依頼することで、せっかくの料理を無駄にせず、環境にも配慮した食事を楽しむことができます。
食品ロス削減に取り組む店舗の選択
食品ロス削減に取り組む店を選択することも、エコフレンドリーな取り組みのひとつです。たとえば、賞味期限が近い食材の割引販売をしている店舗を選べば、節約効果も期待できるでしょう。
そのほかにも、色やサイズが市場に出る基準を満たしていない「規格外野菜」を利用している店も、食材ロス削減に貢献しています。規格外野菜のなかには、見た目は普通と違っていても、問題なく食べられるものもふくまれているためです。
また、持ち帰り容器の導入や、生ゴミを肥料に変える堆肥化などをして環境に配慮をしている店舗もあります。そのような店舗を積極的に利用することで、自分自身のエコフレンドリーな活動につながります。お店の取り組みについては、公式サイトやSNS、店内の案内などで確認することができます。
環境負荷の低い店舗の選択
外食時にエコフレンドリーに貢献できるのは、食品ロスの削減だけではありません。プラスチック削減やカーボンニュートラルなど、環境負荷の削減に取り組んでいる店があります。
たとえば、テイクアウト用の器を持参した客に対し、割引きをおこなっている店舗は環境負荷の削減に意欲的です。ほか、海洋汚染の原因となるプラスチックをそもそも使用しない取り組みをしている店舗もあります。
最近では、地産地消を推進する店舗も増えています。地元で採れた食材を使用することで、輸送時のCO2排出量を削減できます。また、オーガニック食材や持続可能な方法で獲られた魚介類を使用するなど、環境に配慮した食材調達を行っている店舗を選ぶことも大切です。環境に配慮した店舗を選ぶことは、間接的に地球環境を守ることにつながります。
移動時におすすめのエコフレンドリーな取り組み

自宅や買い物、外食だけでなく、日常の「移動」でもエコフレンドリーな行動を取り入れることが可能です。とくに自動車の使用による排気ガスは、地球温暖化の原因のひとつとされており、CO₂の排出量を抑えることが求められています。そこでここでは、以下のような移動時に取り入れられるエコフレンドリーな実践方法をご紹介します。
- シェアリングサービスの活用
- エコドライブの推進方法
ちょっとした工夫で、地球環境への配慮と家計の節約の両立が目指せます。
シェアリングサービスの活用
シェアリングサービスとは、1つのものや場所などを共有して利用するサービスです。電車やバスなどの公共交通機関を利用すれば、個人での車やバイクの移動が減り、CO2削減ができます。
また、カーシェアリングの利用もおすすめです。目的があるときだけ車へ乗るようになり、普段は公共交通機関を活用する意識が芽生えるでしょう。カーシェアリングは車の維持費(車検、保険、税金など)がかからないため、年間で見ると大きな節約になります。
さらに、カーシェアリングで採用されている車にはエコカーもふくまれているため、積極的に利用すればエコフレンドリーな取り組みが可能です。最近ではシェアサイクルなども普及しており、短距離の移動には自転車を活用するのも健康的でエコロジーな選択といえるでしょう。
エコドライブの推進方法
エコドライブとは、ガソリンの無駄遣いを減らせる運転時の取り組みです。エコドライブには、主に以下のような方法があります。
発進時は緩やかなアクセルを心掛けることが重要です。急発進や急加速は燃費を大幅に悪化させます。また、不要な荷物を降ろして車体を軽くすることも効果的。車が軽くなれば、その分燃費が向上します。
タイヤの空気圧をこまめにチェックし、適正な空気圧を維持することも燃費向上につながります。空気圧が不足すると、タイヤと路面の摩擦が増えて燃費が悪化。さらに、無駄なアイドリングを減らす意識も大切です。信号待ちなど、長時間停車する場合はエンジンを切るようにしましょう。
エコドライブの推進をすれば、環境配慮をしつつ、ガソリン代の節約も期待できるでしょう。ちょっとした運転の工夫で、燃費が10%以上改善することもあります。
自宅でできる環境に配慮した取り組み

自宅では、水や電気だけでなく、ガスなどのエネルギーが日々使用されています。自宅でエコフレンドリーな取り組みを実践すれば、エネルギーの削減による光熱費削減が可能です。以下のような方法を日常生活に取り入れてみましょう。
- 省エネ家電の導入
- 節水を心がける
- ごみの削減
- ファッションアイテムのリサイクル
これらの取り組みは、地球環境を守るだけでなく、家計の節約にも直結します。自宅での生活を少し見直すだけで、エコフレンドリーな暮らしを実現できます。
省エネ家電の導入
省エネ家電に買い替えると、電気の消費が少なくなり、節約にもつながります。とくに10年以上前の家電はエコ性能が低いものが多いため、積極的なリニューアルが必要です。
たとえば冷蔵庫の場合、10年前と比較すると、50%近くも節電効果が期待できるケースがあります。エアコンや洗濯機、照明器具なども、最新の省エネタイプに変えることで、消費電力を大幅に削減できます。
新たに購入する費用がもったいないからと古い家電を使い続けていては、日々の節約につながりにくいでしょう。家電を選ぶ際は、省エネラベルの星の数や年間電気代を確認し、長期的な視点で考えることが大切です。初期投資はかかりますが、長い目で見れば電気代の節約で元が取れることが多いです。
節水を心がける
水の豊かな日本では気付きにくい問題ですが、世界的に見るときれいな水は貴重な枯渇資源です。家庭では、洗面所やキッチンなどさまざまな場所で節水ができます。
たとえば、大量の水を使う洗車時は、ホースで直接洗わずにバケツを利用すれば節水が可能です。洗車では、ホースを使うと1杯10リットルのバケツを24杯以上使います。一方で、バケツであれば3杯程度で清掃が完了し、200リットル程度の節約が実現できるでしょう。
また、お風呂の残り湯を洗濯に使ったり、食器洗いの際に水を出しっぱなしにしないよう心がけたりすることも効果的です。水道料金が上昇しているなかで、節水を実践すれば生活費の削減が期待できます。小さな積み重ねが、大きな節約につながります。
ごみの削減
家庭から出るごみの量を削減すれば、CO2削減をはじめとした環境配慮につながります。また、家庭でのごみ出し回数も減るため、袋の購入費用の節約も可能です。
キッチンで出る生ごみは、水分量を多くふくむため袋を圧迫します。生ごみを捨てる前に、水気をよく切ることで袋の使用量を減らせます。ディスポーザーのような生ごみ粉砕機を利用してごみの発生を減らせば、よりエコフレンドリーな取り組みができるでしょう。
また、包装が少ない商品を選んだり、詰め替え用の製品を利用したりすることも、ごみの量を減らすのに効果的です。プラスチック製品の使用を控え、再利用可能な容器やアイテムを活用することで、廃棄物の削減に貢献できます。日常生活の中で少しずつごみを減らす意識を持つことが大切です。
ファッションアイテムのリサイクル
自治体によっては、服が燃えるごみで出せてしまいます。しかし、服を燃えるごみとして処分しても、そのまま焼却されるだけでエコフレンドリーにつながりません。
リサイクルに出したり、バザーに出したりすれば、環境に配慮した形で服を手放せます。最近では、古着を買い取るリサイクルショップやフリマアプリなども増えており、不要になった衣類を必要としている人に届けることができます。
また、古い衣類から新しい製品を作り出す「アップサイクル」という取り組みも注目されています。使わなくなった服もただ捨てるのではなく、リユースやリサイクルを考えることで、資源の有効活用につながります。服の処分に悩んだら、まずはリサイクルの選択肢を検討してみましょう。
まとめ
エコフレンドリーな取り組みは、環境への配慮だけでなく家計の節約にも直結します。日常生活のあらゆる場面で実践できるため、無理なく継続することが可能です。買い物時のエコバッグ持参や食品ロス削減、外食での適量注文、省エネ家電の導入など、ちょっとした工夫が大きな変化をもたらします。
一人ひとりの行動は小さくても、多くの人が実践することで地球環境を守る大きな力に。環境に優しい選択は、将来の地球のためだけでなく、今の生活の質も向上させてくれるのです。エコフレンドリーな生活習慣を身につけ、地球と家計の両方に優しい暮らしを始めてみませんか。